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2021 Fiscal Year Research-status Report

The Dynamism of Political Values between Civil Society and Populism: Anthropological Study on the Political and Social Movements in Central Eastern Europe

Research Project

Project/Area Number 20K01191
Research InstitutionThe University of Kitakyushu

Principal Investigator

神原 ゆうこ  北九州市立大学, 基盤教育センター, 准教授 (50611068)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Keywordsポピュリズム / 市民社会 / 文化人類学 / 感情 / 理性
Outline of Annual Research Achievements

人類学者にとって、ポピュリズムは普通の人々が関わるものでありながら、対象として正面からは扱われにくいものである。そこで、本研究ではポピュリズムを名指す力を持つ「市民的理性」に注目し、その多様性と動態を明らかにすることを目指している。具体的には、中東欧のポピュリズムとそれへの対抗運動について、地域レベルでの実態を把握したうえで(目的Ⅰ)、「市民的理性」の形成過程を明らかにする(目的Ⅱ)。そのうえで、ポピュリズムについて、特定の地域を超えて比較可能な文化人類学的視角を検討(目的Ⅲ)することで、当該テーマに関する文化人類学的研究の基礎を構築することを目的としている。
2年目となる2021年度も、自由に海外渡航できる状況ではないため、現地調査ができなかったが、目的Ⅲについては、3名の研究協力者とともに6月、8月、9月、3月にオンラインで研究会を実施することができた。9月の研究会では、ポピュリズムと並行して論じられることの多い、ホワイト・ナショナリズムについて、ゲストスピーカーを招き、知見を深めた。今年度は、市民活動における道徳/倫理に関する論文を発表したが、その一方でポピュリズム研究でしばしば言及される右翼運動、感情、陰謀論に焦点を当てた先行研究の検討も進めることができた。さらに、中東欧地域についての文献調査も引き続き進めている。この地域における体制転換のインパクトは無視できないため、この地域をフィールドとしたポスト社会主義人類学の知見について再検討を行い、2021年10月に開催されたロシア・東欧学会で報告した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

昨年度の開始時は、2022年3月には現地調査が可能になると見込んでいたが、その見込みは甘く、容易にフィールドワークに行ける状況にはならなかった。ただし、中間的な研究成果を発表できる程度に、これまでの先行研究に基づいた理論的検討を進めることができたので、順調に進んでいると判断した。なお、当初の計画では現地調査で、西ウクライナとスロヴァキアのNGOを連携に注目する予定だったが、2022年2月以降のロシアによるウクライナ侵攻により、状況が大きく変わってしまった。しかし、ウクライナおよび、ウクライナ難民を多数受け入れているスロヴァキアに関しては、入手できる情報が増えたこともあり、当初想定しなかった角度からの検討が可能になると考えている。

Strategy for Future Research Activity

2022年5月現在、欧州への海外渡航は可能になりつつあるので、今年度は現地調査を開始したい。ただし、新型コロナウイルス感染症の流行とロシアのウクライナ侵攻を受けて、スロヴァキアにおける市民的理性のとらえかたは、研究開始時に想定していたものから大きく変容している可能性がある。近年の社会状況があたえたインパクトを考慮にいれつつ、調査計画は柔軟に再検討したい。

Causes of Carryover

世界的な新型コロナウイルス感染症の流行、および渡航制限をうけて、スロヴァキアでの現地調査を先延ばししたため。2022年度は、海外調査も可能になりそうであるので、夏季または春季の授業がない時期を活用して集中的に現地調査を実施する。また、昨年に引き続き、今年度も国内外の学会参加や、研究協力者との打ち合わせはオンラインによる実施であったが、2022年度以降はこれらも対面実施が増える見込みである。

  • Research Products

    (3 results)

All 2021

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 市民活動という政治の場における道徳/倫理とその実践2021

    • Author(s)
      神原 ゆうこ
    • Journal Title

      文化人類学

      Volume: 86 Pages: 230~249

    • DOI

      10.14890/jjcanth.86.2_230

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ポスト社会主義という概念の「終焉」とその遺産:中東欧地域の民族誌的研究の動向分析を中心として2021

    • Author(s)
      神原ゆうこ
    • Organizer
      ロシア・東欧学会2021年度研究大会
  • [Book] 中欧・東欧文化事典(項目執筆:チェコスロヴァキアの「ビロード離婚」pp.620-621))2021

    • Author(s)
      中欧・東欧文化事典編集委員会(編)、神原ゆうこほか著
    • Total Pages
      768
    • Publisher
      丸善出版
    • ISBN
      9784621306161

URL: 

Published: 2022-12-28  

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