2022 Fiscal Year Research-status Report
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20K02934
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
二宮 祐 群馬大学, 大学教育・学生支援機構, 准教授 (20511968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 治 京都産業大学, 全学共通教育センター, 准教授 (50621562)
児島 功和 山梨学院大学, 学習・教育開発センター, 准教授 (80574409)
松本 亮 神戸市外国語大学, 外国学研究所, 客員研究員 (30745857)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 大学教授職 / 高等教育政策 / 実務家教員 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究によって明らかにすることを予定している、(a)政策における「実務家教員」に対する期待、(b)それに対応して進められている「実務家教員」養成プログラムの内容、(c)すでにその職に就いている「実務家教員」の資質・能力に関する自己評価、(d)学術的知識を有する伝統的な教員による「実務家教員」に対する評価のうち、(b)、(c)、(d)に関して既に実施済みの聞き取り調査と質問紙調査のデータの分析を進めた。聞き取り調査については分析結果をまとめて論文にした。質問紙調査については単純集計表をインターネット上で公開するとともに、政策的インプリケーションとして提示できるよう論文化を進めている。 分析の結果から、まず、実務家教員だからといっても必ずしも実務経験を重視した授業を行っているわけではないことが示された。大学内に実務家教員と非・実務家教員が分業するような組織構成が存在するわけではないためと推察される。次に、実務家教員と非・実務家教員との間に資質・能力についての自己評価の違いはあまりないことが示された。実務家教員の調査回答者に大学院博士課程修了者や研究を活発に行う者が多かったという偏りがあったためではあるものの、実務家教員が非・実務家教員と比較して自己を過大評価や過小評価をするような傾向は見られなかった。その一方で、実務家教員は他者の実務家教員を肯定的に評価し、非・実務家教員は他者の実務家教員を否定的に評価する傾向もあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定どおり聞き取り調査と質問紙調査を実施してデータの分析を行っている。また、学会発表や論文執筆についてもおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
質問紙調査の結果については、複数のパースペクティブによる分析が可能である。そのため、さらに考察を重ねて論文化を進める予定である。また、新型コロナウイルス感染症(COVID19)が収束傾向にあるため、実務家教員養成機関などへの訪問調査を実施する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症(COVID19)の影響によって旅費の執行が困難であった。感染症の収束後、実務家教員養成機関などへの訪問調査を実施する。
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