2020 Fiscal Year Research-status Report
イミノリン酸ペプチドへの直接的不斉反応を基盤とするアミノリン酸含有ペプチドの合成
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20K06965
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
猪熊 翼 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 助教 (40541272)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アミノリン酸 / 不斉触媒 / Friedel-Crafts型反応 / ベンゼンスルフェニルイミン |
Outline of Annual Research Achievements |
リン酸アミド構造を有するモデル基質を用いた検討に先立ってこれまで用いてきたo-ニトロベンゼンスルフェニル(Nps)イミンの窒素上スルフェニルベンゼン保護基の再検討を行った。まず芳香環上に異なる置換基を有する種々のベンゼンスルベンゼンクロリドを合成し、それらをα-アミノリン酸ジエステルと反応させることで種々のN-スルフェニルベンゼンが導入された基質前駆体を調製した。次に当該前駆体を二酸化マンガンによる酸化反応に付したところ一部の基質では生成物の分解が見られたが、対応するイミノリン酸ジエステルへと導くことができた。得られたイミノリン酸ジエステルを用いてキラルBINOLリン酸触媒によるインドール求核剤の不斉Friedel-Crafts型反応を行った結果、トリフルオロメチルベンゼンスルフェニル基を有する基質が既存のN-Nps基を用いた場合と同等の高い立体選択性(94% ee)を示すことが分かった。加えて当該保護基がNps基と同様に不斉収率を損なうことなく除去可能であることも併せて見出した。これらの結果より本保護基を有するイミンもNps基と同様にアミノインドリルリン酸ユニット構築に利用可能であると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インドールとの不斉Friedel-Crafts型反応において当初利用を想定していたNpsイミノリン酸と同等の性能を持つ新規な基質としてトリフルオロメチルベンゼンスルフェニル基を有するものを見出すことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
まずNpsイミノリン酸アミド及びo-トリフルオロメチルフェニルベンゼンスルフェニルイミノリン酸アミドを合成しインドールとの不斉Friedel-Crafts型反応を適用し反応の最適化を行う。収率、立体選択性、ならびに原料合成の容易さの観点から最適な基質・反応条件を決定した後に求核剤適用範囲を探索し、多様な側鎖構造のインドリルアミノリン酸ユニット構築を目指す。
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Causes of Carryover |
3月に納品されたが支払いが4月となった物品があったため。
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Research Products
(2 results)