2021 Fiscal Year Research-status Report
イミノリン酸ペプチドへの直接的不斉反応を基盤とするアミノリン酸含有ペプチドの合成
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20K06965
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
猪熊 翼 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 助教 (40541272)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アミノリン酸 / 不斉触媒 / 疎水性アンカー |
Outline of Annual Research Achievements |
イミノリン酸ペプチドへの直接的不斉反応によるアミノリン酸含有ペプチド合成に先立って、疎水性アンカー担持ペプチドを用いたインドリルグリシン含有ペプチドの合成を行った。文献既知のベンジルエステル型疎水性アンカーを用い、それに担持したペプチドを用いて全長の保護ペプチドを合成し接触水素化による最終脱保護を行ったところ、所望のペプチドは純度よく切り出せたが、切り出し効率が低いため収率は低調であった。一般にベンジルエステルの脱保護で用いられるtransfer hydrogenationの他アルカリ加水分解による切り出しを試みたが、ペプチド鎖を傷めることなく収率よく切り出しを行うことはできなかった。そこで疎水性アンカー構造の再検討を行った。これまでアンカー構造に用いていたベンジルエステル部位とペプチド鎖の間にベンジルエーテル構造を組み込んだ新たなアンカー構造を設計し切断反応を検討したところ、当該アンカー担持ペプチドは接触還元の条件により、これまで用いていたアンカーと比較して容易にペプチド鎖の切り出しが可能であることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イミノペプチドへの直接的不斉反応によるペプチド合成においてこれまで問題となっていた切り出し効率の低さを、新規な疎水性アンカー構造を創出することで、改善することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度見出した新規疎水性アンカーに担持したNpsイミノリン酸担持ペプチドを合成しインドールとの不斉Friedel-Crafts型反応を適用し反応の最適化を行う。得られる生成物から、これまでの研究で確立したNps基の除去、更なるアミノ酸伸長と最終脱保護を経て生物活性インドリルアミノリン酸含有ペプチドライブラリーを構築する。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Mechanistic Support for Intramolecular Migrative Cyclization of Propargyl Sulfones Provided by Catalytic Asymmetric Induction with a Chiral Counter Cation Strategy2021
Author(s)
Yamasaki, K.; Yamauchi, A.; Inokuma, T.; Miyakawa, M.; Wang, Y.; Oriez, R.; Yamaoka, Y.; Takasu, K.; Tanaka, N.; Kashiwada, Y.; Yamada, K.
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Journal Title
Asian J. Org. Chem.
Volume: 10
Pages: 1828-1834
DOI
Peer Reviewed