2022 Fiscal Year Annual Research Report
イミノリン酸ペプチドへの直接的不斉反応を基盤とするアミノリン酸含有ペプチドの合成
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20K06965
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
猪熊 翼 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 講師 (40541272)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アミノリン酸 / 不斉触媒 / ジアステレオ選択的インドリル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
N-Npsイミノリン酸ペプチドへの不斉インドリル化を検討するためにそのモデル基質となるN-Npsイミノリン酸アミドの効率的合成ルートの確立を目指し、検討を行った。最初に、Npsアミノメチルリン酸ジベンジルエステルを合成し脱モノベンジル化に続く酸化反応により目的物を合成することを試みたが、脱ベンジル化の条件でNps基が除去されることが分かった。次に対応するTrt保護体からの脱モノベンジル化を行ったところ、低収率ながら所望のモノベンジルリン酸エステルを得ることができたが、Trt基のかさ高さのためか続く第1級アミンとの縮合は全く進行しなかった。より立体障害の小さいBoc基を検討したところ、期待通り脱モノベンジル化と縮合が良好に進行することが分かったが、Boc基の脱保護条件でアミノリン酸骨格が分解し、Nps基への変換には至らなかった。そこで穏和な塩基性条件除去可能なFmoc基を検討したところ、脱モノベンジル化、アミンとの縮合は良好に進行し、脱保護の後にNps化を行うことでNps保護体を得ることができた。本化合物を酸化すれば対応するN-Npsイミノリン酸アミドを得ることができ、本法をペプチド性化合物に応用することでアミノリン酸含有ペプチド合成前駆体となるN-Npsイミノリン酸ペプチドを得ることができると期待される。 基質合成ルートの確立と並行して、対応するN-Npsイミノペプチドを用いて不斉インドリル化における隣接アミノ酸残基の影響および求核剤適用範囲を精査した。その結果、幅広い範囲の基質で中程度から高いジアステレオ選択性を示し、電子不足・電子豊富インドール求核剤のいずれも適用できることを見出した。以上の検討を通じて、アミノリン酸含有ペプチドの合成を進めるうえで重要な知見を得ることができた。
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Research Products
(6 results)