2021 Fiscal Year Research-status Report
性暴力被害者支援における急性期看護実践のための研修プログラム開発と評価
Project/Area Number |
20K10948
|
Research Institution | Tokyo Ariake University of Medical and Health Sciences |
Principal Investigator |
家吉 望み 東京有明医療大学, 看護学部, 准教授 (00582248)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米山 奈奈子 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (20276877)
加納 尚美 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (40202858)
三隅 順子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 講師 (80282755)
主田 英之 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (90335448)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 性暴力被害者支援 / 性暴力対応看護師 / 研修プログラム / フォレンジック看護 / 実態調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
「連携型」ワンストップ支援センターの協力病院における性暴力被害者支援の実際と課題を把握するためにWEBアンケートによる実態調査研究を行った。調査選定方法は、全国の「連携型」ワンストップ支援センターの公式ホームページを検索し、601の協力病院を抽出した。各施設、WEBアンケート依頼チラシを性暴力被害者支援の責任者に、性暴力被害者支援を担当スタッフ配布してもらった。チラシには、回答用のQRコードを記載し、そこからWEBアンケートに回答できるようにした。所属大学の倫理審査委員会の承諾を得て、2022年2月18日~3月31日まで実施した。 結果、594協力病院のうち62施設から協力が得られ、チラシ配布数250であった。アンケート回答数は119(回収率47.6%、有効回答率100%)であった。回答者は医師86名(72.3%)、看護職31名(26.1%)、医療ソーシャルワーカー2名(1.7%)であった。62施設の内、性暴力被害者支援チームがあるのは2施設(3.2%)であり、被害者対応実績のある施設は38施設(61.3%)であり、2019~2021年の対応実績は、平均5.72件(0-80)であった。勉強会・研修会については、院内開催がある20名(16.9%)ない98名(83.1%)であり、院外参加がある62名(52.1%)ない57名(47.9%)であった。困難・課題ありは86名(73.5%)であり、スタッフ教育・連携の在り方・対応への苦慮・継続的フォローの在り方であった。医療者のスキルアップとして必要度が高い項目は、「性暴力の概要理解」「被害者のアセスメントと必要な検査と治療の説明」「産婦人科診療時(診療補助時)の知識・技術」の順であった。研修開催方法の希望では、オンライン開催が73.4%と高かった。以上の結果から、被害者支援の実践に繋がる研修内容が求められていることが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は、研修プログラム内容を検討するために、「連携型」ワンストップ支援センターの協力病院における性暴力被害者支援の実際と課題を把握するためにWEBアンケートによる実態調査研究を行った。その結果、スタッフ教育・連携の在り方・対応への苦慮・継続的フォローの在り方が課題になっており、医療者のスキルアップとして必要度が高い項目は、「性暴力の概要理解」「被害者のアセスメントと必要な検査と治療の説明」「産婦人科診療時(診療補助時)の知識・技術」が必要とされていることが明らかになった。加えて、研修開催方法の希望では、オンライン開催が73.4%と高かいことが分かり、2022年度は研修プログラムを決定し、実施に繋げることができる。
|
Strategy for Future Research Activity |
【被害直後の性暴力被害者支援実践能力研修プログラムの決定】 研修プログラム開発チームで検討会議を開催する。『「連携型」ワンストップ支援センターの協力病院における性暴力被害者支援の実際と課題』の調査から把握できた結果をもとに、既存の「被害直後の性暴力被害者支援で求められる看護実践能力」12領域からフォーカスする内容を検討し決定する。実践現場でより必要とされる支援実践能力を検討し、『被害直後の性暴力被害者支援能力研修プログラム案』を作成する。その後、講師チームを決定し、教材開発・検討を行い、全2日間10時間程度で開催できる「被害直後の性暴力被害者支援能力研修プログラム」を決定する。 【被害直後の性暴力被害者支援能力研修プログラムの実施・評価】 研究デザインは、一群への縦断的・準実験研究とし、研修プログラム対象者は、「連携型」ワンストップ支援センターの協力病院において、性暴力被害者支援に携わっている産婦人科医師または看護師・助産師等とする。研修プログラム参加者選定方法は、協力病院から3~5カ所程度を便宜的に抽出し、研修プログラム参加における研究協力依頼書を施設責任者に送付する。参加要件は、連携型ワンストップ支援センターの協力病院であることと、施設としてプログラム参加への同意があること、全2日間10時間の参加とする。研修プログラムへの参加について再度書面もしくは電子メール、電話等で返信を得た後、研究者は施設担当者と研修プログラム開催日程、開催方法を調整する。研修プログラム参加者に対しては、研修プログラム開催当日に研究者より再度、研究趣意について説明し、同意を得た後、研修プログラムを実施する。各施設における参加者は、5~10名程度とする。
|