2020 Fiscal Year Research-status Report
外国人若手研究者の職能開発を取り巻く環境・個人要因の解明と体系化
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20K14025
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
櫻井 勇介 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 講師 (60771219)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 外国人 / 若手研究者 / 能力開発 / 国際化 / 大学教員 |
Outline of Annual Research Achievements |
計画に沿って、文理系を問わずより多くの協力者に質問紙調査を行い300名を超える回答を経ることができた。さらに、そのうち15名の方から聞き取り調査へ参加していただいた。コロナ禍の混乱による本研究への影響を極力減らしたかったため、本調査全体の開始を遅らせることにしたが、最終的に20名の方への協力を考えていたことを考えると、大きく遅れることがなかった点は評価できる。 質問紙調査で得られた個人傾向の結果を踏まえ、聞き取り調査に臨んだことで、量的結果と質的結果の往還を実現することができた。今回使用した質問紙が、個人の経験を把握するために利用価値のあるものであることを確認できたのは有意義であった。聞き取り調査では、当初からオンラインでも日本津々浦々の外国人研究者の経験に関する語りを収集する計画であったため、技術的には難なくこのコロナ禍での聞き取り調査を行うことができた。協力者も技術的な事柄に慣れ親しんでいたことも助けとなった。聞き取り調査では、現在のキャリアに至るまでの道のり、キャリア選択のきっかけ、将来の見通しなどについて、自分の職業人生を語るのに必要だと思う時から語ってもらった。さらに、現在と将来のキャリアパスを念頭に、日本の研究機関での職能開発経験、その機会の獲得、逸失経験を自身の職務や個人的状況を踏まえて語ってもらい、様々な意見を収集している。 これらの質問紙調査については、興味深い結果が出ているので、事件度から報告書や論文の執筆に取り掛かる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の混乱が本研究の結果を左右する可能性があったため、本研究の開始を半年程度遅らせることとなった。具体的には本研究1年目に20名の外国人若手研究者から聞き取りを行う予定であったが、15名にとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の計画からの遅れは当初の研究計画でも想定されていた範囲であったため、当初の想定通り、継続して大学授業の夏季休業中に聞き取り調査を行う予定である。計画ではあと5名程度の聞き取りで十分だと思われたが、非常に興味深い多様な情報が収集できているため、また、積極的に参加してくださる協力者が多いことからも、20名を超えてもしばらく聞き取り調査は継続する予定である。 これに加え、今後は、聞き取り調査の逐語禄をもとに研究者としての能力開発の諸側面について、特徴と傾向を把握する分析を行う。そして、聞き取り調査協力者の職能開発に関与する環境要因と個人要因を探索、抽出し、コード付けを行っていく。その中で、質問紙調査の結果を、聞き取り調査による個別のケースをサポート、または批評的に検討するために活用していく。 同時に、質問紙調査で得られた結果を用い、研究報告書を執筆し、公開してく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ化により、国際会議が現地で行われず、中止、またはオンライン開催となってしまったことによる。今後は、国際会議の実施計画を中止し、研究の遂行や質に問題が生じないように留意をしながら進めていく。場合によっては、延長も検討しながら、計画の練り直しを考えていく。次年度は論文の公開に取り掛かっていくので、英文校正やオープンアクセスのための費用を上積みとするか、次年度の進捗状況によって延長をすることになれば、今年度は使用を抑え延長年度分にまわす計画を検討する。
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Research Products
(1 results)