2022 Fiscal Year Research-status Report
Conical Intersection Search Using a Multireference Perturbation Theory
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20K15230
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西本 佳央 京都大学, 理学研究科, 助教 (20756811)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 解析的エネルギー微分 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、研究期間全体で多参照摂動理論のエネルギー勾配の実現や、円錐交差の探索を可能にすることを目的としていた。 これまでに完全活性空間を用いた二次の摂動理論(CASPT2)と、その制限活性空間を用いた手法(RASPT2)、そしてそれらを多状態に拡張したMS-CASPT2とそれらの変種(XMS-CASPT2, XDW-CASPT2, RMS-CASPT2)の解析的エネルギー微分の式を導出をして、OpenMolcasと呼ばれる量子化学計算パッケージに実装をした。これらの実装はOpenMolcasのマスターブランチで公開されている。しかし、CASPT2法はある程度信頼できる方法ではあるが、それでも一般的に励起エネルギーを過小評価することが知られている。そこで、この過小評価を解決しつつ構造最適化が行えるように、イオン化ポテンシャル-電子親和力(IPEA)シフトを用いた場合のCASPT2法(CASPT2-IPEA)の解析的エネルギー微分の式の導出と実装を行った。 IPEAシフトによりCASPT2法に備わっている活性空間の軌道回転に対してエネルギーが不変であるという性質が壊れてしまうことが分かった。このため、CASPT2-IPEAが記述するポテンシャルエネルギー面に不連続点が見られることが予想されたが、実際にポテンシャルエネルギー面を描くと大きな問題がないことが分かり、安定構造や円錐交差の探索に用いることができると分かった。そして、結果としては励起エネルギーが0.1から0.4 eV程度大きくなり、実験値やより高精度な計算との一致が改善した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では、円錐交差の探索を可能にして応用計算を行う計画をしていた。これまでにどちらもある程度達成されており、本研究課題はおおむね順調に進展していると言って良い。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題での当初の研究計画は一応遂行されたが、来年度はプログラムの効率を上げて、分子動力学シミュレーションを可能にするなど、より有用なプログラムの開発や応用計算を行いたい。
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Causes of Carryover |
手持ちの計算機のみでも思ったよりも計算できたことと、コロナ禍で学会参加などができなかったことが理由として挙げられる。最終年度以降はより計算リソースが必要な計算を行い、また状況次第であるが学会参加などをしていきたい。
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Research Products
(4 results)