2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21686078
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大槻 高史 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80321735)
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Keywords | RNAi / shRNA / siRNA / CLIP-RNAi / 光誘導 / 遺伝子発現抑制 / RNA結合蛋白質 / 細胞膜透過性ペプチド |
Research Abstract |
小さな2本鎖RNAにより配列のに遺伝子発現抑制がこる現象(RNAi)が近年注目され,遺伝子機能研究や創薬研究に幅広く利用されている。申請者らは最近,培養プレート上の動物細胞に対して光照射領域特異的にRNAiを誘導する技術を開発した。光で切り取る(=clip)ように遺伝子発現を抑える方法なので,この方法をCLIP-RNAi(CPP-linked RBP-mediated RNA internalization and photo-induced RNAi)と呼ぶことにした。本課題では,CLIP-RNAi法を最適化すると共に応用展開することを目的とし、本年度は以下について取り組んだ。 1)多様な光増感剤の適用 本方法の汎用性を高めるため,様々な波長の光照射でRNAiを可能にする必要がある。本年度は,700nmから800nmの波長の光で励起できる蛍光色素を光増感剤として使えるかどうかを試した。この波長域の6種類の蛍光色素を用いてみたところ、1種類は光増感剤として使えることが分かった。すなわち、この波長域でCLIP-RNAi法を利用することが可能になった。 2)光照射領域特異的な細胞の分化誘導 マウス筋芽細胞株を入手し、筋細胞への分化促進を誘導すると報告されているshRNA[anti-TRB]および、筋細胞への分化マーカー発現を誘導すると報告されているmiR-133bをCLIP-RNAi用のキャリア分子と結合する形で設計した。現在、培養シャーレ上で光照射領域特異的にRNAの細胞質内導入を行うことで、領域特異的な細胞の分化誘導を試みているところである。
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