2009 Fiscal Year Annual Research Report
高精度スティッチング干渉法に基づく硬X線ナノ集光ミラー用表面形状計測法の開発
Project/Area Number |
21760106
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
湯本 博勝 Japan Synchrotron Radiation Research Institute, 光源・光学系部門, 研究員 (20423197)
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Keywords | 表面形状計測 / X線ミラー / スティッチング干渉計 / 回転楕円面ミラー / X線光学素子 / X線ナノ集光 |
Research Abstract |
本研究では,1枚のミラーにより2次元集光可能な硬X線用集光光学素子である部分回転楕円面形状ミラーのための表面形状計測システムの構築を目的とし,平成21年度は形状計測装置の開発を行なった.形状計測法としてスティッチング干渉法を採用した.過去の研究で研究代表者らが開発した従来法では,顕微干渉計で計測した隣接データ間の相対角度基準でのみ,形状計測データをつなぎ合わせていた.本研究では,さらに,隣接データ間の相対高さ基準を加えたつなぎ合わせが可能なように,0.1nmで高さ計測可能な高精度レーサー変位干渉計を新たに本形状計測装置に導入した.これにより,顕微干渉計で計測したミラーの部分的な形状データを,隣接データ問の相対角度と相対高さの両基準でつなぎ合わせることで,ミラー全体形状に関して1nm以下の高精度なデータ算出が可能である.一方で,開発した形状計測法の形状計測精度を確認するために,本装置により作製した部分回転楕円面形状ミラーによるX線集光実験を平成22年度計画している.このX線によるミラー評価に際し,X線に対して入射角,面内回転等の姿勢調整精度やミラー表面形状誤差が集光特性にどのような影響を与えるかを予め検討することが必要である.このために,部分回転楕円面形状ミラーによる波動光学的集光シミュレーターと光線追跡集光シミュレーターを開発した.本シミュレーターの開発により,部分回転楕円面形状ミラーにより集光する際に必要となる姿勢調整精度やミラー形状誤差を予見可能になったばかりでなく,今後,結像型の新たなX線ミラー光学素子を設計する際に大いに役立つものと期待できる.
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