2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21770252
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
大塚 幸雄 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 研究員 (90344192)
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Keywords | ホヤ / 誘導 / nodalシグナル / 転写調節 |
Research Abstract |
本研究では、ホヤ初期発生過程におけるNodalシグナル伝達経路を解析し、ホヤ幼生末梢神経の誘導メカニズムを明らかにすることを目的としている。昨年度までにNodalシグナル標的遺伝子であるci-chordin,ci-Pax3/7遺伝子の発現制御領域を単離・同定したことから、本年度はそれら遺伝子のNodalシグナル応答領域について解析を行った。 昨年度までに単離したci-chordin,ci-Pax3/7遺伝子の発現制御領域の下流にレポーターとしてLacZをつないだコンストラクトをエレクトロポレーション法によりカタユウレイボヤ卵に導入し、Nodalシグナル阻害剤(SB431542)存在下で嚢胚期まで発生させた。その結果、ci-chordinについては5'上流域の119bp、ci-Pax3/7についてはイントロン内の134bpの転写活性がSB431542処理により神経板で阻害されることを明らかにした。 これまで、Nodalシグナル応答にSmad、FoxH1、Mixerが関与することが報告されている。一方、本研究で同定したci-chordin,ci-Pax3/7遺伝子のNodalシグナル応答領域にはSmad結合配列は存在するが、FoxH1結合配列は存在しなかった。また、Mixer遺伝子はホヤゲノム上に存在しないことから、これまで知られていない新たなNodalシグナル伝達経路の存在が示唆される。
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