2010 Fiscal Year Annual Research Report
葉緑体遺伝子の進化における同義コドン選択とタンパク質コード領域の翻訳速度調節
Project/Area Number |
21770258
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中邨 真之 名古屋市立大学, 大学院・システム自然科学研究科, 研究員 (60322145)
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Keywords | 同義コドン / 翻訳効率 / 葉緑体 / コドン使用頻度 / in vitro翻訳系 |
Research Abstract |
葉緑体ゲノムには79種のタンパク質遺伝子がコードされているが、それらのコドン使用頻度と同義コドンの翻訳効率は必ずしも一致しない。本研究課題は、葉緑体遺伝子は進化の過程で、翻訳効率の異なる同義コドンを選択することによって、タンパク質コード領域の翻訳速度を大きく変化させ、タンパク質合成量の調節を行っているのでは?との仮説に基づき、葉緑体mRNAのタンパク質コード領域の翻訳速度を実験的に測定することを目的としている。 本年度は、同義コドンの改変がmRNAの翻訳速度にどの程度寄与しているかを解析するため、タバコ由来のrps2 mRNAおよびrps16 mRNAをモデルmRNAとして研究を行った。 前年度の結果より、rps16 mRNAの5'UTRが非常に低い翻訳活性しか持たないことが明らかになったため、T7gene10由来の5'UTRを用いてコドン改変による翻訳速度の変化を解析した。rps2 mRNAに含まれる翻訳効率の高いアルギニンコドンを翻訳効率の低いコドンに、rps16 mRNAに含まれる翻訳効率の低いアルギニンコドンを翻訳効率の高いコドンに改変した。コドン改変型のrps2 mRNAとrps16 mRNAの翻訳速度の比較を行ったところ、rps2 mRNAの翻訳速度がほとんど変化しなかったのに対し、rps16 mRNAの翻訳速度は約1.5倍に上昇した。 これらの研究成果からは、当初の仮説を証明するには至らなかったが、タバコ葉緑体のrps16遺伝子が偽遺伝子である可能性や新たな機能を持つ可能性が示唆され、今後これらの可能性について解析していく予定である。
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Research Products
(13 results)
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[Presentation] MatK or why keep a chloroplast-encoded splicing factor?2010
Author(s)
Zoschke, R., Neumann, L., Nakamura, M., Liere, K., Sugiura, M., Borner, T. Schmitz-Linneweber, C.
Organizer
XIth International Colloquium on Endocytobiology and Symbiosis
Place of Presentation
トロムソ大学(ノルウェー)
Year and Date
20100829-20100903
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