2010 Fiscal Year Annual Research Report
ニラにおける複相大胞子形成遺伝子座の集中マッピングおよび候補遺伝子の検索
Project/Area Number |
21780030
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
山下 謙一郎 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜茶業研究所野菜ゲノム研究チーム, 主任研究員 (80414671)
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Keywords | アポミクシス / ニラ / 複相大胞子形成 / 単為発生 / Allium / DNAマーカー |
Research Abstract |
アポミクシスを主要作物育種に導入できれば、F_1におけるヘテロシスの固定、採種コストの削減、品種育成年限の短縮が可能となり、育種に飛躍的な効率化をもたらすと期待される。本課題は、ニラを素材としてアポミクシス性の遺伝的背景を詳細に解明することを目的とする。本年度の成果は、以下の2つに大別される。 1.複相大胞子形成遺伝子座および単為発生遺伝子座近傍連鎖地図の詳細化 異数性分離集団(BC_1)を供試し、複相大胞子形成性および単為発生性について、187種類および660種類のランダムプライマーを用いたバルク解析を行った。両形質バルク特異的マーカーを選抜し、異数性分離集団144個体に展開して連鎖解析を行った。その結果、複相大胞子形成遺伝子座と単為発生遺伝子座から5.8cMおよび5.4cMに位置する連鎖マーカーが獲得された。当該マーカーは、両形質遺伝子を有する個体選抜に有効であると考えられる。 2.正二倍体・高二倍体(BC_2)のアポミクシス性評価および連鎖マーカー型の判定 正二倍体・高二倍体(BC_2)について、15個体の複相大胞子形成性と9個体の単為発生性を調査した結果、これらは非アポミクシス性個体であった。これまでに、4組合せ157個体のうち、36個体の複相大胞子形成性および56個体の単為発生性を調査済みである。次に、BC_2について両形質遺伝子座の両側に位置する連鎖マーカー型を調査した結果、マーカーを保持する個体頻度は交配組合せ間で変動したが、連鎖マーカー座が戻し交雑親である両性生殖性二倍体と組換わった個体が多数存在することが明らかになった。 次年度は、複相大胞子形成遺伝子の座乗染色体の決定およびアポミクシス遺伝子と劣性有害遺伝子との連鎖が打破された個体の選抜を目的として、引き続きBC_2のアポミクシス性を評価する。
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Research Products
(1 results)