2011 Fiscal Year Annual Research Report
ニラにおける複相大胞子形成遺伝子座の集中マッピングおよび候補遺伝子の検索
Project/Area Number |
21780030
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Research Institution | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
Principal Investigator |
山下 謙一郎 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜茶業研究所・野菜育種・ゲノム研究領域, 主任研究員 (80414671)
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Keywords | アポミクシス / ニラ / 複相大胞子形成 / 単為発生 / Allium / トリソミック |
Research Abstract |
アポミクシス性を主要作物育種に導入できれば、F_1におけるヘテロシスの固定、採種コストの削減、品種育成年限の短縮が可能となり、育種に飛躍的な効率化をもたらすと期待される。本課題は、ニラを素材としてアポミクシス性の遺伝的背景を詳細に解明することを目的とする。本年度の成果は、以下のように要約される。 1)アポミクシス性二倍体・高二倍体(BC_2)の獲得 両性生殖性二倍体にアポミクシス性低三倍体(BC_1)を交配して作出した二倍体・高二倍体集団(BC_2)について、31個体の複相大胞子形成性および29個体の単為発生性を評価した。その結果、新たに複相大胞子形成(6.3%、6.7%)を示す個体が2個体、単為発生(33.3%)を示す個体が1個体獲得された。 2)アポミクシス個体の染色体数およびマーカー型調査 比較的高頻度の単為発生性を示した個体「94Mo49/57-105」について、根端細胞のフォイルゲン染色により染色体数を調査した結果、トリソミック(2n=17、2x+1)であることがわかった。当個体は3本の相同染色体のうち、1本は両性生殖性二倍体94Mo49から、2本はアポミクシス性低三倍体から受け継いでいることから、低三倍体に由来する染色体の1本に単為発生遺伝子が座乗すると考えられる。今後、詳細な核型分析により座乗染色体を決定する。次に、上記3個体についてアポミクシス遺伝子連鎖マーカー型を調査した結果、いずれも複相大胞子形成遺伝子連鎖マーカーを有していなかったが、トリソミック個体のみ単為発生遺伝子座の片側のマーカーを有することが明らかになった。また、トリソミック個体はフローサイトメトリー分析により二倍体と明確に判別できたことから、今後、両性生殖性二倍体に戻し交雑し、次代(BC_3)から効率的に二倍体を選抜、アポミクシス性を検定し、有害劣性遺伝子と単為発生遺伝子との連鎖打破の可能性を明らかにする予定である。
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Research Products
(2 results)