2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790256
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
木谷 嘉博 Fukuoka University, 医学部, 助手 (60534998)
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Keywords | HDL / 心筋梗塞 / 左室リモデング |
Research Abstract |
10週令の15匹の雄Wistarラットを無作為にsham-operated群、心筋梗塞後にプラセボとしてPBSを週に1回、4週間、尾静脈から投与した群(MI群)、心筋梗塞後に合成HDL 6mg/kgを週に1回、4週間、尾静脈から投与した群(MI+rHDL群)の3群に分割した。心筋梗塞モデル作製1週後と4週後に、心臓超音波にて各群の心機能評価を行ったところ、4週後のMI+rHDL群の駆出率は、MI群と比較して有意な改善を認めた。また、心臓病理標本においてMI+rHDL群はMI群と比較して、有意な線維化領域の縮小を認めたが、心筋細胞の大きさについては、各群有意差は認めなかった。一方、血管新生はMI群で増加しており、MI+rHDL群では増加を認めなかった。これは、心筋梗塞による心筋壊死により代償的に梗塞部位周囲に血管新生が起きたが、合成HDL投与により、梗塞そのものが抑制されたため、MI+rHDL群における血管新生が促進されなかったと考えられた。 次に、心筋梗塞後の合成HDL投与により、左室のシグナル蛋白がどのような影響を受けているか検討した。細胞肥大の制御に重要なp21およびp27や、アポトーシスにおける重要なシグナル蛋白であるcaspase-3の発現は、各群有意差は認めなかった。さらに、細胞周期におけるG1 arrestの指標であるRbの発現量を評価したところ、MI+rHDL群において有意な上昇を認め、合成HDLの細胞増殖効果が考えられた。
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