2009 Fiscal Year Annual Research Report
肝再生における上皮間葉転換(EMT)の病態生理学的な意義
Project/Area Number |
21790691
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
桑原 礼一郎 Kurume University, 医学部, 助教 (30389275)
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Keywords | 肝幹細胞 / 上皮間葉転換 / 肝細胞ニッチェ / 臓器再生 |
Research Abstract |
申請者らは既に米国肝臓学会誌に肝幹/肝前駆細胞ニッチェ構成する細胞を同定し報告している。これらの細胞群でのEMTを解析するためには、既報で用いたLabel-retaining cell assayで同定される肝幹細胞/肝前駆細胞とEMT関連転写因子あるいは蛋白、間葉系細胞マーカーとの免疫組織化学の確立が必須と考えられた。 【動物実験】 採取した肝組織を用いて上述の蛋白の発現・局在を解析するために、肝幹細胞のマーカーであるPan KeratinとEMT関連転写因子(Snai1、SIP1、Twist等)さらに細胞分裂の指標であるBrdUとの多種にわたる多重染色法(免疫組織化学)を確立した。急性肝不全を誘導し肝再生を検討するために、BrdU存在下において週令8週オスC57/BJ6マウスにアセトアミノフェンの投与を行った。APAP後に屠殺し、肝組織と血清の採取を行った。確立した各種の免疫組織化学的技法を用いて、急性肝不全発症後の肝再生におけるEMTの解析を行い、肝幹細胞/肝前駆細胞であるOval cellにEMT関連転写因子の発現があることを見出した。 【臨床検体の解析】 肝幹細胞/肝前駆細胞での上皮間葉転換を検討するため、肝幹細胞/肝前駆細胞のマーカーであるEpCAMとEMT関連転写因子(Snail、SIP1、Twist等)さらに上皮系マーカーE-cadherin、間葉系マーカーS100A4との多種にわたる多重染色法(免疫組織化学)を確立した。劇症肝不全(生体肝移植術の摘出肝)と慢性肝疾患の患者より肝組織の採取を行った。免疫組織化学での解析では、急性あるいは慢性肝疾患で出現する偽胆管を構築する細胞群でEMTを制御する蛋白の発現が亢進することを見出した。
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Research Products
(5 results)