2010 Fiscal Year Annual Research Report
肝再生における上皮間葉転換(EMT)の病態生理学的な意義
Project/Area Number |
21790691
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
桑原 礼一郎 久留米大学, 医学部, 助教 (30389275)
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Keywords | 肝幹細胞 / 上皮間葉転換 / 肝細胞ニッチェ / 臓器再生 |
Research Abstract |
【動物実験】 採取した肝組織を用いてEMTを制御する蛋白の発現・局在を解析するために、肝幹細胞のマーカーであるPan KeratinとEMT関連転写因子(Snail、SIP1、Twist)との多種にわたる多重染色法(免疫組織化学)をマウス肝組織において確立した。急性肝不全を誘導し肝再生を検討するために、週令8週オスC57/BJ6マウスにアセトアミノフェン(APAP)の投与を行った。APAP投与後に屠殺し、肝組織の採取を行った。確立した各種の免疫組織化学的技法を用いて、急性肝不全発症後の肝再生におけるEMTの解析を行い、肝幹細胞/肝前駆細胞であるoval cellに間葉系マーカーであるS100A4の発現があることを見出した。 【臨床検体の解析】 ヒトにおいて肝幹細胞/肝前駆細胞での上皮間葉転換を検討するため、肝幹細胞/肝前駆細胞のマーカーであるEpCAMとEMT関連転写因子(Snail、SIP1、Twist)さらに上皮系マーカー(keratin 19、E-cadherin)、間葉系マーカーS100A4との多種にわたる多重染色法(免疫組織化学)をヒト肝組織において確立した。劇症肝不全(生体肝移植術の摘出肝)での免疫組織化学での解析では、急性肝不全の肝組織において出現している偽胆管を構築する上皮系の細胞で、EMTを制御する蛋白(Snail、Twist)の発現が亢進することを見出した。
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Research Products
(3 results)