2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790786
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
若木 美佐 慶應義塾大学, 医学部, 共同研究員 (30338032)
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Keywords | 経皮感作 / バリア機能障害 / 気道過敏性 |
Research Abstract |
従来のマウス喘息モデルでは抗原をハプテンとともに全身投与しなければ感作が成立しないが、われわれは、経皮抗原感作ではハプテンなしでも、感作の強度に応じたTh2型免疫応答と、それに続く好酸球性気道炎症、気道過敏性亢進をきたすことを確認した。さらに、経皮抗原感作によって遷延性の好酸球性気道炎症と気道過敏性亢進が生じることが明らかとなり、皮膚バリアを維持して経皮的な抗原の侵入を回避することで喘息の慢性化・重症化を予防できる可能性が示唆された。 今年度の検討では、経皮感作によって生じる遷延性の好酸球性気道炎症と気道過敏性亢進に関与する因子を秋からにすることを目的として検討を行った。他の研究者の報告により、経皮感作は皮膚局所と全身リンパ組織においてIL-23とIL-17の発現を亢進させることが知られていたことから、IL-23p19ノックアウトマウスとIL-17Aノックアウトマウスを用いて、経皮感作による気道過敏性と気道炎症がどのような影響を受けるかを検討した。その結果、IL-23p19ノックアウトマウス、IL-17Aノックアウトマウスにおいては、野生型マウスと比較して抗原気道曝露翌日に生じる気道炎症、気道過敏性には違いがないこと、しかし、野生型マウスと異なり抗原曝露7-14日目には気道炎症、気道過敏性が低下することを見いだした。 このことから、経皮感作によって生じる喘息の慢性化・重症化の予防・治療にIL-23/IL-17経路の阻害が有効である可能性が示唆された。現在、更に抗IL-23抗体を用いてその有効性を検討中である。
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