2009 Fiscal Year Annual Research Report
SHP-1をターゲットとした腎性貧血治療の可能性についての検討
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21790811
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
赤木 滋 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (80509315)
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Keywords | SHP-1 / 腎性貧血 / 骨髄造血前駆細胞 |
Research Abstract |
1) SHP-1 deficient modelマウス(C57BL/6J-Hcphme-ν/J : Viable motheaten)のbreeding 本研究に使用する十分なSBP-1 deficient modelマウス(C57BL/6J-Hcphme-ν/J : Viable motheaten)を得るためにbreeding pairを購入し、本学動物資源施設にてbreedingを行った。生後2週にマウスの尾からDNAを抽出してgenotypingを行った結果、ホモ、ヘテロ、wild typeの識別が可能で、現在継代を進めている。 2) 腎性貧血モデルの作成と腎性貧血発症の確認 C57BL/6マウスに5/6腎臓摘出を行い、経時的にヘマトクリット値や血清クレアチニン値を測定し、腎性貧血発症について確認したところ、平均ヘマトクリット値は腎摘出前50.0±1.35%に対し、腎摘出4週後には39.0±4.43%と低下を認め、一方血清クレアチニン値は腎摘出前0.3±0.04mg/dlであったが腎摘出4週後は0.93±0.88mg/dlと上昇を認めた。これらの結果より、腎機能低下および貧血発症を確認できたため、腎性貧血モデルとして適切と考えられた。 3) SHP-1の発現と腎性貧血の関連の確認 C57BL/6J-Hcphme-νマウスのgenotypingで判別されたホモ、ヘテロ、wild typeの3群に対して5/6腎臓摘出を行い、経時的にヘマトクリット値およびクレアチニン値を測定し、群間での貧血の程度比較、およびこれらマウスの骨髄から造血前駆細胞をc-kit特異抗体と磁気ビーズを用いて分離して液体培地で培養し、SHP-1の発現を比較することを目的としている。しかし、ホモのマウスは発育不良が認められ生後6週前後でほとんどが死亡し、データ推移について他群との比較が困難となっている。ヘテロ-wild type間の貧血の程度は有意差を認めていない。また、生後6-8週のマウス骨髄造血前駆細胞分離および培養に関しては、細胞分離までは可能だが、液体培地での培養でSHP-1発現を検討するための十分な細胞数が得られていない。分離・培養方法の再検討を行った後、造血前駆細胞を用いてSHP-1の定量PCRによるmRNA定量、SHP-1抗体やリン酸化抗体を用いたウエスタンブロット及び免疫沈降による、SHP-1の発現を検討する予定である。 4) SHP-1の発現とエリスロポエチンに対する反応性の確認 上記腎不全モデルマウスにエリスロポエチンを投与し、SHP-1の発現変化と腎性貧血の改善につき経時的検討を予定する。
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