2010 Fiscal Year Annual Research Report
SHP-1をターゲットとした腎性貧血治療の可能性についての検討
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21790811
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
赤木 滋 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (80509315)
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Keywords | SHP-1 / 腎性貧血 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
平成22年度の研究目的は、SHP-1を阻害することによる腎性貧血改善効果の実証のためのRNAアプタマーを用いたSHP-1をターゲットとした低分子創薬の可能性について検討することであり、まずSHP-1の機能阻害についてsiRNA導入での検討を試みた。平成21年度に作製した腎性貧血モデルマウスへのSHP-1 siRNA導入による貧血改善の確認を行うため、SHP-1 siRNA発現レトロウイルスベクター、およびshRNA発現レンチウイルスベクターを作製した。腎性貧血モデルマウスより骨髄を採取し、c-kit陽性造血前駆細胞を分離培養して前述のsiRNA発現レトロウイルスおよびshRNA発現レンチウイルスベクターの導入を試みたが、導入効率がきわめて悪く、導入のため種々の条件を設定したが、結局c-kit陽性造血前駆細胞への導入に成功しなかった。また、細胞培養の条件を変更したうえでウイルスベクターの導入を試みたがこれも成功しなかった。したがって、SHP-1siRNAの造血前駆細胞への導入によるSHP-1の発現変化および細胞内シグナル伝達系への影響について検討することは不可能であった。また、他の方法として、レトロウイルスベクターおよびレンチウイルスベクターを腎性貧血モデルマウスの尾静脈に投与し、投与前後でのマウス血液におけるヘモグロビン値の変化について検討したが有意差を認めなかった。本結果より、SHP-1の機能阻害についての検討ができなかったため、RNAアプタマーを用いた検討は行えていない。
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