2009 Fiscal Year Annual Research Report
腎糸球体上皮細胞におけるオートファジー関連蛋白の機能解析
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21790821
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
淺沼 悦子 Juntendo University, 医学部, 非常勤助教 (30508172)
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Keywords | 糸球体上皮細胞 / 糸球体硬化 / ネフローゼ症候群 / オートファジー / GABARAP / P62 / 細胞内蛋白凝集 / Atg7 |
Research Abstract |
オートファジーは細胞内小器官等の蛋白処理機能であり、この機能不全は様々な疾患に関与していることがわかっている。腎臓におけるオートファジーの役割について、当教室は以前、ネフローゼ動物モデルにおけるポドサイト障害の回復時に、オートファジーのマーカー蛋白であるLC3が重要な役割を果たしていることを報告した。GABARAPはLC3のホモログであるが、オートファジーにおける役割はまだ不明である。GABARAPのトランスジェニック(Tg)マウスを検討し、腎糸球体内においてはGFP-GABARAPが主にポドサイトに発現していることを確認した。本研究は、オートファジー関連蛋白遺伝子改変マウスと培養ポドサイトを利用した、オートファジー関連蛋白のポドサイトにおける機能解析を行うことを目的とし、21年度はGABARAPのTgマウスにおける蛋白尿惹起後の組織学的変化の観察を行った。生理的条件下において明らかな異常はなく、病的条件下での観察を行うためアドリアマイシン(ADR)腎症を惹起したところ、Tgマウスにおいて蛋白尿の遷延と硬化糸球体の増加を認めた。しかし、GFP-GABARAPはLC3と異なりオートファゴソーム上に発現せず、さらにはp62と細胞質内で凝集体を形成していた。GFP-GABARAP/p62の凝集体が糸球体機能の低下に関与しており、ポドサイト障害からの回復を阻害していることが考えられた。上記は現在論文投稿中である。さらにLC3のプロセシングに必要な蛋白であるAtg7において、ポドサイト特異的Atg7ノックアウト(KO)マウスを作成した。生理的条件下で明らかな蛋白尿は認めず、病的条件下の観察のためADR腎症を惹起させたところ、KOマウスに有意な蛋白尿の増加を認めた。22年度はADR腎症後のAtg7KOマウスの詳細な組織評価を中心にオートファジーの機能解析を行う予定である。
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Research Products
(1 results)