2009 Fiscal Year Annual Research Report
膵幹/前駆細胞の同定、及び多角的解析による生理的・病的意義の解明
Project/Area Number |
21790886
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
川口 美穂 Research Institute, International Medical Center of Japan, 糖尿病研究センター 代謝疾患研究部, 流動研究員 (30444459)
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Keywords | 糖尿病 / 再生医学 / 発生・分化 / 移植・再生医療 |
Research Abstract |
膵臓における膵β細胞への分化機構の解明は、患者数が増加の一途を辿つている糖尿病の様々な病態の解明や治療法の開発に繋がることが期待されるが、膵組織特異的幹/前駆細胞(膵幹/前駆細胞)の明確な同定には未だ至っていない。本研究では、高い増殖能を指標に申請者が単離・同定に成功したマウス新生仔膵由来の膵幹/前駆細胞候補細胞を用い、その細胞の分子レベルでの多角的解析及び膵β細胞への分化の評価を通して、分化機構の解明を目指す。 平成21年度はまず、膵幹/前駆細胞候補細胞の膵β細胞分化段階を検討する目的で、GeneChipシステムのマイクロアレイやRT-PCRを用い、膵β細胞特異的に発現する遺伝子の発現状態を検討した。これらの知見は単に分化段階の評価になるだけでなく、今後、in vitroでの膵β細胞への分化誘導を試みる上で有用な情報となり得るものである。一方、in vivoにおいては、膵幹/前駆細胞候補細胞から膵β細胞への分化誘導を試みた。糖尿病モデル(STZ投与)マウスの腎被膜下に膵幹/前駆細胞候補細胞を移植し、血糖値および免疫組織染色により評価した。in vivoでの分化誘導では様々な血中因子による膵β細胞分化が期待される。従って、STZマウスの他、野生型をはじめとした様々なマウスで膵β細胞への分化誘導を試みており、引き続き検討を行っている。この他、膵幹/前駆細胞候補細胞の生理的・病的意義を評価する目的で、糖尿病モデルマウス膵における膵幹/前駆細胞候補細胞の有無および局在を検討した。評価は免疫組織染色で行い、膵幹/前駆細胞候補細胞の分離・同定に用いた細胞表面マーカーに対する抗体を使用した。糖尿病モデルマウスにおいて野生型と同様に膵幹/前駆細胞候補細胞が存在するか否かは、今後、薬剤などによる内因性の膵β細胞分化誘導を目指す上で、その前提となる非常に重要な知見となる。
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