2010 Fiscal Year Annual Research Report
HPV-B19ウイルスタンパクによる血液凝固系への影響の解明
Project/Area Number |
21791014
|
Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
武藤 真二 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (40465430)
|
Keywords | 小児 / 凝固異常 / パルボウイルス |
Research Abstract |
本研究の目的はヒトパルボウイルスB19(HPV-B19)に血液凝固系への影響の基礎的な解明である。日常の小児科臨床において、パルボウイルスの赤血球への関与は有名であるが、他にも血液凝固系への影響を認める症例が多く存在することが明らかとなっている。HPV-B19による赤血球への作用機序は明らかにされているものの、血液凝固系への作用メカニズムに関してはまだ明らかでない。 当初臨床検体からのHPV-B19のウイルス遺伝子の抽出、クローニングし、そこからHPV-B19の各領域のタンパク発現および精製を行って研究計画を遂行する予定であった。しかしHPV-B19は流行性疾患であること、また罹患期間が短いことから、検体採取が困難であった。そのためHPV-B19のゲノムの保有先を検索したものの国内における入手先が見つからなかった。そのため最終的に海外よりHPV-B19ウイルス血漿を購入した。購入したウイルス血漿より、HPV- B19の各領域(VP1 VP2 NS)のクローニングを行い、現在は各領域を蛋白発現系に組み込む作業を行っている。蛋白発現系の確立を行った後に、それぞれの領域の精製ウイルスタンパクを用い、血液凝固系に対する直接的な作用の評価を行っていく。
|