2009 Fiscal Year Annual Research Report
ブレオマイシン誘発強皮症モデルマウスにおける細胞接着分子の解析
Project/Area Number |
21791082
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉崎 歩 Nagasaki University, 長崎大学病院, 医員 (40530415)
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Keywords | 強皮症 / 細胞接着分子 / Th細胞 / マウスモデル / 自己免疫 |
Research Abstract |
全身性強皮症(systemic sclerosis;SSc)は皮膚硬化と内臓諸臓器の線維化を主徴とする自己免疫疾患で、患者のQOLおよび予後を著しく障害する重大な疾患であるが、未だ病因は解明されていない。線維化の形成には局所に浸潤する白血球によって産生されるサイトカインが重要な役割を果たしていることが知られているものの、白血球が線維化の生じる組織に浸潤する分子メカニズムについては明らかではない。そこで、白血球の血管外浸潤を担う主要な細胞接着分子であるL, E, P-selectin, intercellular adhesion molecule(ICAM)-1,およびP-selectin glycoprotein ligand(PSGL)-1のSScにおける役割について、各細胞接着分子欠損マウスを用いたブレオマイシン(bleomycin;BLM)誘発SScモデルにおいて解析した。L-selectin, ICAM-1の欠損マウスでは、BLMによる皮膚硬化は抑制され、E-selectin, P-selectin, PSGL-1の欠損マウスでは、皮膚硬化の増悪を認めた。肺線維化においても同様に、L-selectinとICAM-1の欠損マウスでは拗制されており、E-selectin, P-selectin, PSGL-1の欠損マウスでは増悪していた。さらに、L-selectinやICMA-1の欠損マウスでは、BLMによって誘導された炎症細胞浸潤の減少が認められ、逆にE-selectin, P-selectin, PSGL-1の欠損マウスでは浸潤した炎症細胞数の増加が認められた。これらのことから、BLM誘発SScモデルにおいてL-SelectinとICAM-1の欠損は、病態の改善を誘導し、E-selectin, P-selectin, PSGL-1の欠損は、病態の増悪を来すことが示唆された。この機序における更なる解析をTh細胞との関わりを中心に、推し進めてゆく予定である。
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Research Products
(4 results)