2011 Fiscal Year Annual Research Report
抗うつ薬投与後のactivation syndromeの遺伝子多型に関する研究
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21791149
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
原田 豪人 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (80385400)
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Keywords | 抗うつ薬 / 副作用 |
Research Abstract |
外来の初診患看でDSM-IV-TRのうつ病性障害、適応障害および不安障害を満たす症例で、初診前の1ヶ月間に抗うつ薬を投与されていなかった症例に対し、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(selective serotonin reuptake inhibitor:SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(serotonin noradorenarine reuptake inhibitor:SNRI)および新規抗うつ薬であるノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(Noradrenergic and Specific Serotonergic Antidepressant:NaSSA)などの抗うつ薬の投与を行い、前方視的に抗うつ薬の投与後の1ヶ月以内のactivation syndrome(AS)の症状(不安、焦燥、パニック発作、不眠、苛々感、敵意、衝動性、アカシジア、軽躁、躁)の発現の有無を確認した。その結果、現段階で282例20例(7.4%)にactivation syndromeが生じたことを確認した。また統計処理を行った結果、大うつ病性障害の診断および第一親等の気分障害の遺伝負因に関して統計学的有意差がみられてが、性別、年齢、薬剤、BZD併用の有無の違いに関しては発現率の統計学的有意差は認められなかった。この点に関し学会発表を行った。さらに発現例から静脈血採血を行った。近年抗うつ薬の服用後に自殺および他害の危険性が高まる可能性が指摘されており、このことに関連してASが注目されている。そのためASの発現と遺伝子多型の関連性に関する研究は意義があると考えられる。
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