2009 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌骨髄におけるmicroRNAを用いた転移機構の解明
Project/Area Number |
21791297
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石丸 神矢 Kyushu University, 大学病院, 医員 (10529887)
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Keywords | 胃癌 / 転移 / microRNA / マイクロアレイ / 骨髄 / ゲノム |
Research Abstract |
胃癌は発生頻度の高く、転移をきたせば予後不良となる重大な疾患である。近年、癌の転移には癌自体の挙動だけではなく、宿主側の反応も深く影響していることが知られるようになった。特に、転移巣形成に際しての骨髄細胞の動員や、骨髄でのniche形成など、転移における骨髄の役割は見逃すことができない。骨髄内においても様々な因子が転移に関与していることが推測されるが、この研究では特にmicroRNAに注目し、マイクロアレイと動物実験を中心とした解析により胃癌の転移機構の解明を目指すものである 前年度までの研究で施行した胃癌骨髄のマイクロアレイにより、miR Xとその標的遺伝子Yが転移において重要な働きを担う因子として同定された。遺伝子Yは癌そのものとの関連については他癌種を含め現在まで報告が見られないが、宿主側の反応において重要な役割を果たしていることが証明されれば、転移機構の解明に新たな局面を開くものと期待される。 宿主骨髄におけるmiR Xと遺伝子Yの機能解析については、実験系の性格上動物実験が必須である。本年度は、遺伝子Yのノックアウトマウスを九州大学生体防御医学研究所、中別府教授の教室より譲渡していただき、胃癌転移モデルを作製する予定である。 先に述べたように、遺伝子Yと癌との関連については報告がなく、結果の予想は困難だがノックアウトマウスと野生型マウスにおいては転移の形成に差を生じる事が推測される。その差について更に詳しく検討するために 1) 骨髄を形成する細胞成分の特定分画をGFPラベルした上で、これを放射線照射ノックアウトマウスに移植、転移能の変動と目的の骨髄細胞の動態を観察 2) miR Xのin vivo投与による転移能の変動の観察 などの手法を用意している。
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Research Products
(1 results)