2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791473
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
成田 弥生 Kansai Medical University, 医学部, 研究員 (60453445)
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Keywords | 悪性高熱症 / 樹状細胞 / 免疫学 / 麻酔学 |
Research Abstract |
健常人末梢血単核球より磁気分離したCD14陽性モノサイトにIL-4とGM-CSFを加えることでヒトモノサイト由来樹状細胞(Mo-DCs)を誘導した。この未熟な状態の樹状細胞(iDC)に、DCの成熟因子であるLPSあるいはプロスタグランジンE_2(PGE_2)+TNFαを添加し、機能的に異なる2種類の成熟DCを誘導した。これらiDC、LPS-DC、PGE_2-DCにおけるリアノジン受容体(ryanodine receptors:RyRs)サブタイプ(1-3型)の遺伝子の発現をRT-PCR法にて評価した。その結果、ヒトDCは1型リアノジン受容体(RyR1)遺伝子を選択的に発現していた。特にiDCは成熟誘導された2種類のDCよりも遺伝子発現量が高いことが明らかとなった。また、Fura-2標識したiDCを、RyRアゴニストである4-chloro-m-cresol(4-CmC)、またはATPを用いて刺激し、これにより誘導される細胞内Ca2+上昇を蛍光レシオイメージング法にて評価した。その結果、iDCは4-CmCおよびATP刺激に対して、細胞内Ca2+ストアに由来する一過性の細胞内Ca2+上昇を示した。この現象は、RyR阻害薬であるダントロレンによって阻害されたが、IP_3受容体阻害薬であるゼストスポンギンCでは阻害効果が認められなかった。また、RyR1を介したCa2+シグナルは、LPSによって誘導されるDCのIL-10産生を抑制し、HLA-DRとCD1d、CD86分子の発現上昇を誘導することで、アロナイーブT細胞刺激活性を亢進させた。以上より、ヒトDCは機能的なRyR1を発現し、これを介したCa2+シグナルによってDC応答が制御されることが示唆された。RyRアゴニスト刺激により特異的に誘導されるDC由来の液性因子は認められなかったが、DCは悪性高熱症素因者同定のターゲット細胞であることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)