2010 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイド局所投与による内耳血流障害および内耳炎に対する影響の検討
Project/Area Number |
21791610
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大竹 宏直 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30508891)
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Keywords | 内耳血流 / アポトーシス / 虚血再灌流障害 |
Research Abstract |
ラットに全身麻酔を施し腹臥位に固定、気管切開を施行し自発呼吸下で実験を行った。頭蓋底骨と中耳骨包を削開し、蝸牛を覆う中耳粘膜を除去、蝸牛基底回転部外側壁に外径1.0mのプローブを垂直に接触させ、レーザードップラー出力値を測定。測定中は、体温を一定に保ち左大腿動脈のカニュレーションにより血圧、脈拍を測定した。ドップラーでの血流値が安定したところで、正円窓にデキサメサゾンを投与し血流値の変化を測定した。 更に前下小脳動脈を露出し虚血再灌流モデルを作成し、虚血再灌流障害時におけるデキサメサゾンの効果を検討した。 再灌流させた際の自動調節能は、コントロール群と比較しデキサメサゾン通常濃度および10倍濃度投与群において有意に保たれることが確認できた。 内耳組織をパラフィン切片より、組織評価を行い、加えてTUNNEL法を用いてアポトーシスへのデキサメサゾンの影響を組織評価した。数時間後に内耳を摘出しパラフィン切片作成し、血管条内での変化を光学顕微鏡下に観察した。血管条、コルチ器等特記すべき変化は見られなかった。しかし、いずれもデキサメサゾン投与群では内耳保護効果が確認される傾向にあるが、現在も検討中である。 成果として現段階では、この研究により鼓室内ステロイドに有害性は見当たられずむしろ保護的に作用すること、また突発性難聴の原因と考えられている虚血・再灌流障害においては、一定の効果が期待できるのではないか、と考える。
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Research Products
(4 results)