2010 Fiscal Year Annual Research Report
イソプロピルウノプロストンの視細胞保護効果に関する研究
Project/Area Number |
21791663
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
伊藤 忠 弘前大学, 大学院・医学研究科, 助教 (00431453)
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Keywords | 網膜色素変性 / イソプロピルウノプロストン / 視細胞 / アポトーシス |
Research Abstract |
イソプロピルウノプロストンはプロストン系点眼薬として緑内障治療に広く臨床使用されている薬剤である。本薬剤はMaxiKチャンネル抑制作用により、局所血流増加作用、神経細胞ならびに視細胞アポトーシスの抑制、および眼圧下降作用などを有することが報告されている。本研究ではイソプロピルウノプロストンの視細胞アポトーシス抑制作用をin vivoにて証明するべく、遺伝性網膜変性モデルラットを使用し、視細胞変性抑制効果を検討した。前年度ではロドプシンP23Hトランスジェニックラットを用いた研究で、イソプロピルウノプロストン点眼により電子顕微鏡的に明らかに視細胞変性が抑制されていることが証明できたので、本年度はイソプロピルウノプロストン点眼により同ラット網膜での遺伝子発現がどのように変化するかをマイクロアレイ法を用いて検索した。生後2週齢から6週齢までイソプロピルウノプロストン点眼液を1日2回点眼し、生理食塩水を点眼した群と比較することを試みた。点眼期間終了後に眼球摘出を行い、網膜組織からRNAを抽出してイソプロピルウノプロストン点眼群網膜と対照群網膜との間で遺伝子発現の増減を比較したところ、両群の明確な差異は見いだせなかった。この結果については実験操作上の間違いがあった可能性も否定できず、再検する方針とした。以上の時点で本研究計画は終了となったが、さらに今後新たな研究プロジェクトとしてイソプロピルウノプロストン点眼液の視細胞保護作用についてヒトへの応用も含めて検討することとした。
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