2010 Fiscal Year Annual Research Report
網膜における2孔型Kチャンネルの機能発現とその神経保護作用
Project/Area Number |
21791674
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
櫻田 規全 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (80377390)
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Keywords | Kチャンネル / 網膜 / 神経保護 / ぶどう膜 |
Research Abstract |
2孔型Kチャンネルは、中枢神経や平滑筋など全身に幅広く分布し、細胞容積や膜電位に依存する機構を調節している。本研究では、緑内障における臨床応用を最終の目標として、2孔型Kチャンネルの網膜やぶどう膜における発現を同定すること目指している。本年度は、網膜に発現しているKチャンネルの種類を、分子生物学的、免疫組織化学的に検討した。また、網膜、ぶどう膜におけるチャンネルの電気生理学的特性および薬理作用を解析した。 ラット網膜のpoly(A)+RNAより、TASK、TREK、TRAAKのプライマーを用いてRT-PCRを行った。その結果、ラット網膜では、TASK-1、-3、TREK-1、-2、およびTRAAKの発現が確認された。そこで、ラット網膜の凍結切片を作成し、TREK-2とTRAAKの抗体を用いて、免疫染色を行ったところ、TRAAKは神経節細胞の周辺の内境界膜付近に強いシグナルが見られ、外境界膜、外網状層、内網状層にもシグナルが認められた。TREK-2は、外網状層に強くシグナルが見られ、内網状層、外境界膜にもシグナルが認められた。 ラット網膜を用いたパッチクランプでは、明らかな2孔型Kチャンネルの活性は認められなかった。一方、ぶどう膜のうち房水を産出する毛様体上皮(ブタ)では、2孔型Kチャンネルではないが、即時活性化され不活性化されないKチャンネル電流がみられた。
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