2009 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤のインスリン様成長因子-I増加作用による脳高次機能障害治療戦略
Project/Area Number |
21791771
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
成松 紀子 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 研究員 (50381794)
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Keywords | インスリン様成長因子-I / ドネペジル / カルシトニン遺伝子関連ペプチド / Morrisの水迷路 |
Research Abstract |
マウスの脊髄後根神経節細胞にドネペシルを添加したところ、培養上清中のカルシトニン遺伝子関連ペプチド放出を有意に促進した。タクリン添加では上記の効果は認めなかった。マウスにドネペジルを投与(1.5mg/kg/day、4週間)し、Morrisの水迷路(Shukitt-Hale B, et al. Neurobiol Aeing 25 : 223-229, 2004)を用いて認知機能向上効果を検討したところ、ドネペジル投与群で有意な認知機能の改善を認めた。ドネペジル投与マウスの海馬を採取し組織インスリン様成長因子-I、およびインスリン様成長因子-ImRNA濃度をELISAにより測定したところ、コントロール群に比べ有意に濃度が上昇していた。タクリン(1.5mg/kg/day、4週間)を投与したマウスについても同様の実験を行ったが、ドネペジル投与群のような効果は認めなかった。ドネペジルによりインスリン様成長因子-Iおよびインスリン様成長因子-ImRNAの増加が認められたので、カルシトニン遺伝子関連ペプチドノックアウトマウスについて上記の実験を行い、野生型マウスとの効果の比較を行った.その結果、カルシトニン遺伝子関連ペプチドノックアウトマウスについてはドネペジルの認知機能向上効果およびインスリン様成長因子-I、インスリン様成長因子-ImRNA濃度上昇は認めなかった。ドネペジルによるインスリン様成長因子-I産生促進効果が、カルシトニン遺伝子関連ペプチドによるものであることが示された。
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