2009 Fiscal Year Annual Research Report
顎顔面領域の骨代謝機能に関わるグルタミン酸作動性三叉神経回路の解析
Project/Area Number |
21791800
|
Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
井村 幸介 The Nippon Dental University, 生命歯学部, 助教 (10415086)
|
Keywords | 頭頸部骨 / 末梢神経 / グルタミン酸 / 骨代謝 |
Research Abstract |
平成21年度は、下顎骨および頭蓋骨の骨膜周囲を中心に骨組織の神経分布を確認した。神経マーカーであるPGP9.5陽性の神経線維の走行が骨膜において観察され、PGP9.5陽性である神経終末様構造も同領域において確認された。さらに、骨膜以外の領域として、一部の下顎骨および頭蓋骨の骨髄領域においても、PGP9.5陽性である神経終末様構造と神経線維が観察された。これらの神経分布を確認した後、グルタミン酸トランスポーターの分布を調べた。一部の骨膜領域において、その分布が免疫染色により確認され、グルタミン酸の末梢神経分泌の可能性が示唆された。骨髄領域では、グルタミン酸トランスポーターの分布についての解析は、進んでおらず、次年度も解析を続行する予定である。次に、三叉神経節においてグルタミン酸トランスポーター陽性の神経節細胞を確認した。これらの結果により、本研究課題の頭頸部領域における、骨代謝に関連する末梢神経を神経回路レベルで解析する目的に必須な情報である、骨組織におけるグルタミン酸トランスポーターの分布と神経節細胞内での発現の結果が得られつつある。 本年度予定していた、神経トレーサー実験については、十分なデータを得られなかったので、次年度に引き続き実験を進める予定である。また、副次的な結果として、グルタミン酸以外の骨代謝に関わる因子として知られる、カルシトニン遺伝子関連ペプチドが陽性である神経線維の分布を同頭頸部骨領域の骨膜および骨髄において確認した。これらの結果も合わせて、グルタミン酸作動性神経系の顎顔面領域骨代謝への役割について研究を継続する予定である。
|
Research Products
(2 results)