2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791825
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
高木 幸則 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30295084)
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Keywords | メタボリック症候群 / 耳下腺 / 脂質異常症 / MRI / US / シェーグレン症候群 |
Research Abstract |
耳下腺という組織は元来、脂肪組織が豊富な臓器であり、加齢や放射線照射、また、シェーグレン症候群などの疾患により、内部の脂肪化が進行することが知られている。従って、メタボリック症候群においても、脂肪肝などと同じように、内蔵脂肪が反映される臓器の一つとして耳下腺を捉えることができるのではないかとの仮説を立て、本研究の検証を進めた。 当院、口腔乾燥症外来を受診した患者で、メタボリック症候群の診断基準を満たした患者群のうち、特に脂質異常症を有する患者においてMRIに続いて、超音波画像検査(US)で次のような特徴的変化を認めた。脂質異常症患者では、健常者と比較し、耳下腺の腫大が見られ、内部に多数の高エコーの線条を認めた。これらは耳下腺実質への脂肪の沈着を示唆する所見と推測され、当初われわれの予想した通り、メタボリック症候群患者では肝臓などと同様に、耳下腺でも脂肪変性あるいは沈着が亢進していると考えられた。 また、耳下腺への脂肪沈着と血清脂質(中性脂肪やHDLコレステロール、LDLコレステロール値)との関連について、統計学的解析を行ったところ、特にHDLコレステロールとの関連が示唆される結果が得られた。HDLコレステロールは体の各部位の細胞で使いきれなかった余分なコレステロールや動脈壁に蓄積したコレステロールを肝臓に戻す役割を持つとされており、この値が低いということは全身の余分な脂質が肝臓に十分に戻されないことを意味する。今回の結果はこれを指示する興味深い結果であった。
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