2009 Fiscal Year Annual Research Report
吸収性HAp/BMP-2による頭部骨膜上誘導骨の下顎骨離断部への移植実験
Project/Area Number |
21792027
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
日野 純 Health Sciences University of Hokkaido, 歯学部, 助手 (20508709)
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Keywords | 吸収性セラミックス / 生体材料 / 骨膜上骨誘導 / 骨移植 / 移植・再生医療 |
Research Abstract |
バイオマテリアルとして傾斜機能を付与した吸収性のハイドロキシアパタイト(HAp)である生体模倣傾斜機能アパタイト(fg-HAp)を用い,3×3×3mmのブロックに細胞増殖因子であるrhBMP-2(5μg)を複合化したものをWistar系ラット(雄性,4週齢)の頭部骨膜上へ埋入し,硬組織誘導能とfg-HApの吸収性について組織学的な評価と骨膜の観察と共に,抗増殖細胞核抗原抗体による免疫組織化学的観察を行って細胞増殖活性を検索した。また市販されている非吸収性のHApを同様に埋入し組織学的観察を行い,頭部骨膜上における硬組織誘導能の比較を行った。 fg-HAp群では骨形成は1週後骨膜側に生じ,2週後梁状となり4週後は中心部まで認め,8週後には中心部は脂肪髄となった。いずれも新生骨と既存骨問は骨架橋を認めなかった。fg-HApは骨格内部へ体液が浸透,崩壊・吸収により断片化して8週後まで部分的に残存したが吸収が進んでいるのが形態計測により確認された。対象群ではHApは崩壊・吸収せず埋入時の形状を保ち,骨形成は埋入物表面のみに極めてわずかに認めた。これらの結果からfg-HApは骨膜上への埋入においてBMP-2添加により優れた骨誘導特性を示す吸収性セラミックスであることが確認された。そして4週後には埋入物全体的に骨形成を認めて周囲の細胞増殖活性が低下するため,その後は新生骨の外周に旺盛な骨添加が起きる可能性は低いと考えられ,埋入後4週の新生骨が移植に適していると思わる。また新生骨と頭頂骨との骨架橋を認めないため,既存骨と連続した骨を移植骨として摘出するよりも容易に摘出できると考えられる。
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