2009 Fiscal Year Annual Research Report
矯正学的歯の移動におけるLIPUS及びPRPの効果について
Project/Area Number |
21792097
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
佐藤 友紀 Showa University, 歯学部, 助教 (00384339)
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Keywords | PRP / LIPUS / 歯の移動 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
目的】低出力超音波(low-intensity-pulsed ultra-sound=LIPUS)は副作用の殆どない骨形成の促進法として骨折やインプラント治療に利用されているが、矯正治療への応用は殆どない。本研究はLIPUSによる骨代謝活性効果に着目し、歯の移動の迅速化について検討した。同時に既に歯の移動の迅速化が報告されている多血小板血漿(PRP)を併用し、比較検討した。【資料および方法】11週齢のWistar系ラット(雄)を使用。上顎切歯・第一臼歯間にNi-Ticlosed coil(トミー)を装着し、矯正力約10gにて第一臼歯を移動した。移動モデルをControl群(C群)、PRP群(P群)、LIPUS群(L群)、LIPUS+PRP群(LP群)の4群にわけ、P群、L群には0.05ml/100gのPRPを、C群、L群には同量の生理食塩水を装置装着時に口蓋に局所投与した。その後L群、LP群は、LIPUS照射(伊藤超短波)15min/dayを行った。歯の移動1、3、7日後にラットを固定し、μ-CT撮影後、脱灰、包埋し切片を作成、光顕にて骨吸収形成動態の観察を行った。【結果】全群とも歯の移動距離は経時的に大きくなり、LP群、L群、P群、C群の順に移動した。7日例はP群、L群、LP群がC群に比べて有意に歯が移動し、LP群はP群、L群間でも有意差が認められた。骨量は同日例でグループ問に有意差は認められなかったが、C群及びL群が経時的な骨量の減少が見られたのに対しP群及びLP群は3日から7日例にかけて急激な骨量の減少を示した。またLP群は有意な歯の移動と同時に顕著なアンキローシス、歯根吸収像も認められた。【考察】以上の結果よりLIPUS,PRPとも骨吸収を促進し歯の移動を迅速化する可能性があるが、骨形態の経時的変化の違いより両者の迅速化のメカニズムは全く異なることが考えられる。またLP群において有意な歯の移動著明な骨吸収像を示したことは、LP群において本矯正力は過剰であり、骨代謝の変化により至適矯正力も変化する可能性が考えられた。
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