2010 Fiscal Year Annual Research Report
高血糖状態での歯周病原細菌菌体成分に対する樹状細胞の反応性について
Project/Area Number |
21792135
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
藤田 幸子 愛知学院大学, 歯学部, 非常勤講師 (70532993)
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Keywords | 歯周病 / 糖尿病 / 樹状細胞 / Periodontal Medicine / 免疫学 |
Research Abstract |
生活習慣病の一つである糖尿病と歯周病との関係は,相互に影響を及ぼすと考えられている。しかし,両疾患の関与機序の関する詳細なメカニズムは,未だ不明である.我々は,血糖コントロール不良は局所の歯周組織においても炎症反応を助長し,歯周組織破壊を進行させ,爾周病のリスクファクターとなりうると考えた.そこで我々は,今回in vitroのモデルを使用して,歯周組織の免疫応答に重要な役割を担う樹状細胞を歯周病原細菌由来Lipopolysaccharide (LPS)と高血糖状態で培養することにより,樹状細胞からのサイトカインの産生状況や樹状細胞の成熟度並びにT細胞に対する分化誘導能やT細胞,NK細胞からのサイトカイン産生誘導能を検討することとした.マウス脾臓よりautoMACS^<TM>システムを利用して高純度のCD11c陽性樹状細胞を分離した.分離した樹状細胞を通常血糖量及び高血糖量で培養したところ,CD80,CD86の細胞表面発現量は高血糖量で培養した方が高い発現を示した.また、A.actinomycetemcomitans由来LPS刺激によりその発現差が顕著になった.IL-12p35,IL-12/IL-23p40,IFN-gammaの遺伝子発現量は,高血糖量で培養した方が高い発現を示した.A.a-LPS刺激によりその発現差が顕著になった.一方,IL-4,IL-10の遺伝子発現量は,血糖量の違いで差を認めなかった.樹状細胞によるIL-12/IL-23p40の産生量は,高血糖量で培養した方が多い産生量を示した.A.a-LPS刺激によりその発現差が顕著になった. 以上から,高血糖状態は、樹状細胞を刺激しており、歯周病原細菌菌体成分に対する反応性を増強している可能性が示唆された.
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