2009 Fiscal Year Annual Research Report
追跡調査による小学校英語カリキュラムの効果研究-日本と韓国の共通問題に注目して-
Project/Area Number |
21830026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
金 ヒョンスク University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 準研究員 (90524877)
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Keywords | 小学校英語カリキュラム / 英語新教育課程韓日比較 |
Research Abstract |
近年、日本と韓国では、国際化に対応するための外国語カリキュラムの改革が行われてきたが、両国の小学校英語カリキュラムをめぐる政策の差は、カリキュラム効果に反映されていると考えられる。 今年度の研究の成果は、両国の教育課程改革を検討し、「英語新教育課程韓日比較研究-小学校英語を中心に-」という題目で学会発表を行ったことである。その具体的な内容をみると、まず教科として英語が導入され11年が経った韓国は、授業時数を増やして、文字や文化に関する内容を充実される改訂になっている。例えば、国際語として英語を強調し、多様な英語、文化に関しても英語圏のみではなく多様な文化を取り扱うことを強調し、非言語的な部分が強調されているのは、異文化間コミュニケーションの手段として英語を捉えているからであろう。 一方、日本の場合、総合的な学習の時間に国際理解の一環として外国語会話が行われ、今回の改訂で「外国語活動」という教科ではない領域で導入しているのは、韓国の小学校英語に比べれば、ゆっくり改革が行われている印象がある。特に、韓国で強調している文化に関しては、日本の場合「体験的」という表現が強調されている。言語や文化に対する理解を知識のみで深めるのではなく、体験を通して理解を深めることを明記している。それは、子どもたちに本物の経験をさせることが、外国語でコミュニケーションを行う際の基礎能力になるからであろう。これまで研究開発学校などを中心に多様なカリキュラムを試みてきた結果を踏まえて出された結果であると考えられる。 次の研究成果は、国際語としての英語と異文化学習の関連性について、実際の学校の英語カリキュラムの中でどのように実現させるかは、あまり議論されてこなかったため、「国際語としての英語と異文化学習の関連性に関する研究」という論文で、国際化に対応できる英語カリキュラム開発の視点を明らかにしたことである。
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