2009 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス時におけるミオシンIIリン酸化・脱リン酸化制御機構の総合的な解明
Project/Area Number |
21870029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
岩崎 隆宏 Ehime University, ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー, 研究員 (40542999)
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Keywords | アポトーシス / ミオシンホスファターゼ / カスパーゼ3 / メンブレンブレッビング |
Research Abstract |
アポトーシスは多細胞生物の発生並びに組織の恒常性維持に必須のプログラム細胞死であり、その制御機構の全容解明は様々な生命現象や疾患の理解に重要である。本研究はアポトーシス中の細胞において最も特徴的な現象の一つであるメンブレンブレッビングの機構に、ミオシンホスファテースの不活性化モデルを追加することにより、アポトーシス時におけるメンブレンブヒッビング誘導機構の全容を解明することが最終目的である。21年度はミオシンホスファテースのミオシン結合サブユニットであるMYPT1のアポトーシス時における動態を解析した結果、(2)MYPT1はアポトーシス時の細胞内においてカスパーゼ3によって切断されること、(2)その切断サイトがMYPT1ミオシン結合領域に位置すること、(3)カスパーゼ3切断型MYPT1は細胞内においてミオシンとの共局在が見られなくなること、また、(4)アポトーシス時のMYPT1はリン酸化によりミオシンとの結合が阻害されているとを明らかにした。これらの結果はアポトーシス時におけるミオシンホスファテースの不活性化を強く示唆している。今後はカスパーゼ3によるMYPT1切断がミオシンホスファターゼに及ぼす影響を生化学的側面から解析する必要がある。
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