2010 Fiscal Year Annual Research Report
カリウム欠乏の感知・応答に関わる植物シグナル伝達因子の解明
Project/Area Number |
21870045
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
申 怜 独立行政法人理化学研究所, 機能調節研究ユニット, ユニットリーダー (80525577)
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Keywords | カリウムトランスポーター / FOXライブラリ / 栄養欠乏 / 非生物的ストレス / 転写因子 |
Research Abstract |
2010年度には、2009年度に作製したFOX(完全長cDNA過剰発現遺伝子)を導入したAtHAK5 promoter::luciferase(HAK5pro::LUC)株のスクリーニングを引き続き行った。完全な栄養条件下で、高いルシフェラーゼ活性を示す200以上の遺伝子組み換え植物体を選択した。2009年度には6系統の遺伝子組み換え植物体でルシフェラーゼ活性および内生AtHAK5遺伝子発現の増加を確認した。そしてそれら遺伝子組み換え植物体の中から4つの遺伝子を単離することに成功した。2010年度には、2009年度と同様の手法でさらに17系統の遺伝子組み換え植物体候補を単離した。2009年度および2010年度の2年間で単離した合計23系統の遺伝子組み換え植物体候補から遺伝子の発現が増加している15系統を分析した。2009年度にはトポイソメラーゼ,原形質膜タンパク,glycine rich protein,vesicle-associated v-SNAREタンパク;2010年度には、カゼインキナーゼ,F-boxタンパクファミリー,auxin signaling F-boxタンパク1,EAR-motifcontainingタンパク,ACC oxidase 2,Lipid transfer protein(LTP protein),alpha helix membrane protein,tyrosine specific protein phosphatase,WRKY転写因子(WRKY TF),sucrose nonfermenting kinase 3.5(SnRK3.5)およびmannosyl-oligosaccharide 1,2-alpha-mannosidaseの分析を終えている。さらに、WRKY TF、SnRK3.5、ACC oxidase 2およびLTPタンパクの遺伝子発現解析をカリウム不足、窒素不足、リン不足、塩ストレスなどの様々な条件下で実行した。その結果、次のことが判明した。LTP protein、ACC oxidase 2およびWRKY TFの遺伝子発現は貧栄養条件下で特異的に制御される。また、WRKY TFの過剰発現植物体を作製し、ABRCからノックアウト植物体を入手し、q-PCRおよびwesternblot分析を行った。その結果、WRKYTFの過剰発現植物体はカリウムが不足した条件下で耐性を示すことを明らかにした。
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Research Products
(1 results)