2009 Fiscal Year Annual Research Report
酸性アミノ酸をN末端基質とする新規L-アミノ酸リガーゼの取得とその応用
Project/Area Number |
21880045
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
新井 利信 Waseda University, 理工学術院, 助手 (00547622)
|
Keywords | L-amino acid ligase / peptide synthesis / plumbemycin |
Research Abstract |
L-アミノ酸リガーゼ(Lal)は無保護のアミノ酸をATPの加水分解反応と共役して直接連結可能であり、工業利用の観点から有用な酵素である。我々は新たなLalの探索を継続的に実施してきたが、酸性アミノ酸をN末端基質とするLalの取得には至っていない。本研究では、Streptomyces plumbeusが生産するトリペプチド性抗生物質プランベマイシン(A : Ala-Asp-APPA、B : Ala-Asn-APPA)が酸性アミノ酸(Asp)を含む点に着目し、本生産菌株からAspを基質とするLalの取得を検討した。まず、無細胞抽出液を用いて、Ala,Asn,Aspを基質にペプチド結合形成活性を検証した結果、Aspでは微弱だったが、Alaにおいて有意な活性を検出した。ここで、我々は同じくAPPAを構造中に含むトリペプチド性抗生物質リゾクチシンの生合成遺伝子がクラスターを形成し、2種類のLalが合成に関与することを強く示唆する結果を得ていたことから、Alaを基質とする酵素を同定した後、Aspとの結合を作る酵素を取得することとした。そこで、4段階のカラムクロマトグラフィー操作によりAlaを基質とするペプチド合成酵素(約95kDa)を均一に精製し、このN末端アミノ酸配列情報から相同タンパク質を検索した結果、リボソームでのペプチド合成に関与するvalyl-tRNA synthetase(ValS)と相同性を示した。そこでゲノム情報が既知のStreptomyces avermitilisから組換えValSを調製し、活性を検証した結果、AlaとAsp-ValおよびAsn-ValからAla-Asp-Val, Ala-Asn-Valを合成可能であった。今後は、今回取得した酵素のプランベマイシン合成との関連性を明らかとするとともに、酸性アミノ酸を基質とするペプチド合成酵素の取得を目指す。
|