2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21890135
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森 有可 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (90527227)
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Keywords | Streptococcus pneumoniae / 肺炎球菌 / 自然免疫 / 好中球 / 菌体表層タンパク質 / Enolase / 遊走活性 / Neutrophil extracellular traps |
Research Abstract |
肺炎球菌は小児の口腔からしばしば分離されるグラム陽性の双球菌である.肺炎球菌は,肺炎や中耳炎,敗血症を引き起こす臨床上重要な細菌であると考えられている.肺炎球菌による肺炎では,肺胞に好中球が顕著に浸潤するにも関わらず,肺炎球菌の周囲組織への移行が認められる.本研究では,肺炎球菌が自然免疫に及ぼす影響を解明するため,好中球と親和性の高い肺炎球菌由来の分子を検索し,当該分子の機能解析を行った これまでに,好中球表層に結合する肺炎球菌の菌体表層分子として,Enolaseを同定した.Enolaseが好中球におよぼす影響を調べるため,好中球の培養上清に組換えEnolaseを添加し顕微鏡観察したところ,線維状の構造物の放出を伴う好中球細胞の破壊が認められた.DAPI染色と蛍光顕微鏡を用いた解析により,放出された線維状の構造物はNeutrophil extracellular traps (NETs)であることが確認された.さらに,Enolaseにより刺激された好中球は,遊走活性の上昇を示すことが明らかになった.次に,Enolaseが結合する好中球の表層分子を検索した結果,プルダウンアッセイと質量分析から機能未知のタンパクであるMyoblast antigen 24.1D5が同定された.フローサイトメトリーによる解析の結果,Myoblast antigen 24.1D5は供試した種々のヒト細胞には発現せず,好中球表層に特異的に発現じている可能性が示唆された 以上の結果から,肺炎球菌のEnolaseが新規のNETs誘導分子であると示された
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Research Products
(1 results)