2009 Fiscal Year Annual Research Report
P.gingivalisから新たに同定されたリガンドGslAの機能的解析
Project/Area Number |
21890195
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
春山 晃毅 Nagasaki University, 大学病院, 医員 (40549466)
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Keywords | P.gingivalis / gingipain / 自然免疫 / 刺激伝達経路 / GslA |
Research Abstract |
歯周病原細菌Porphyromonas gingivalisについて我々はこれまでに、P.gingivalisが保有し、TLR2およびTLR4非依存性にCHO細胞の転写因子NF-kBを活性化する新奇蛋白性因子を精製・同定した。この分子はP.gingivalisが産生する蛋白分解酵素gingipainによって分解される為、Gingipain-senseitive ligand A(GslA)と命名した。平成21年度は、GslAがどのようなメカニズムでCHO細胞のNF-kBを活性化しているのかを調べる為、GslA全長リコンビナント蛋白の作製に取り組んだ。gslA遺伝子全長をHis tagを付与した発現ベクターにクローニングし大腸菌に発現させ、ニッケルカラムを用いての蛋白精製に取り組んだが、大腸菌での蛋白発現量が十分でなく、GslAの部分リコンビナント蛋白の精製に留まった。部分リコンビナント蛋白ではCHO細胞NF-kB活性化を誘導できなかったが、この蛋白で免疫したウサギ血清より得られた抗体で、CHO細胞NF-kB活性化を抑制することができた。また、gslA遺伝子はP.gingivalis W83株のゲノム配列中には存在しないことから、P.gingivalisの異なる菌株間におけるGslAの存在様式の違いを調べる為サザンハイブリダイゼーションを行った。その結果、GslAが存在していたのは試験した7種中4種であった。ここまでの成果は"Identification of a gingipain-sensitive surface ligand of Porphyromonas gingivalis that induces Toll-like receptor 2-and 4-independent NF-kappaB activation in CHO cells"の表題で、Infection and Immunity誌に掲載された。
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