2009 Fiscal Year Annual Research Report
PETを用いた難治性中枢神経腫瘍に対するホウ素中性子捕捉療法の新規適応の可能性
Project/Area Number |
21890283
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (Start-up)
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
宮田 至朗 Osaka Medical College, 医学部, 非常勤医師 (30550230)
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Keywords | 脳腫瘍 / PET / アミノ酸 / LAT-1 / 中性子捕捉療法 / BPA |
Research Abstract |
ホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy ; BNCT)は"細胞選択的粒子線治療"であり、悪性神経膠腫のごとく浸潤性の腫瘍に対し効果が期待さる。照射線量は、用いられるホウ素化合物の分布によって決定され、近年PET(positron emission tomography)検査の導入により、その技術は飛躍的の向上している。最近PETを用いて、BNCTの新規適応拡大に応用する試みがなされているが、検査に用いるF-BPAの薬物動態や、治療に用いるBPAとの比較など、未だ詳細には検討されていない。本申請では、標準治療のない難治性臨床例に本検査を適用し、BNCTの新規適応の可能性を探索するとともに、BPAとF-BPAの動態につき基礎的研究を行い、本検査法による適応判断の妥当性を検証することを目的とする。本年度、これまでの臨床症例でBPA-PETを術前に施行した例を中心に組織学的検討を加え、主たるトランスポーターと考えられるLAT-1の免疫染色を施行し、BPA-PETで高いL/N比を示した症例でLAT-1が強陽性となる傾向を認めた。これをもとに、これまでの経験症例に対し免疫染色を加え、中性子捕捉療法の新規適応に関して検討を行うこととする。実験系では、F-BPAとBPAの薬物動態に関して双方に比較検討を行っているが、現時点では、F-BPAとBPAの集積には若干の解離がみられており、今後引き続き検討が必要である。また、臨床例では新規にPETを施行し、脳原発悪性リンパ腫での高集積を認めた。さらに転移性脳腫瘍での組織型による集積の違いが明らかとなり、一部の症例でホウ素中性子捕捉療法の適応となりうることを示した。 今後、さらなる症例の蓄積を行い、新規適応の可能性に関し詳細を検討する。
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Research Products
(4 results)