2021 Fiscal Year Annual Research Report
A Theoretical and Practical Study on Virtual Citizenship
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21H00853
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷口 和也 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (60281945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長沼 豊 学習院大学, 文学部, 所員 (10316929)
渡部 竜也 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (10401449)
市瀬 智紀 宮城教育大学, 教員キャリア研究機構, 教授 (30282148)
若槻 健 関西大学, 文学部, 教授 (40421276)
蓮見 二郎 九州大学, 法学研究院, 教授 (40532437)
小林 亮 玉川大学, 教育学部, 教授 (50340451)
南浦 涼介 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (60598754)
桑原 敏典 岡山大学, 教育学域, 教授 (70294395)
藤原 孝章 同志社女子大学, 現代社会学部, 特任教授 (70313583)
水山 光春 京都橘大学, 発達教育学部, 教授 (80303923)
奥野 浩之 同志社大学, 免許資格課程センター, 准教授 (80552067)
川口 広美 (前田広美) 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (80710839)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | シティズンシップ教育 / バーチャル / 社会参画 / グローバル教育 / オンライン交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、コロナの流行の影響で海外調査および実践調査のための国内の学校への調査がことごとく中止となった。そのため、一部のクラスターを除いて文献や過去の調査研究の少量が中心となり、令和3年度の研究実績は限定的であった。 本研究で四つに分割したクラスターのうち、第一の「学外人材クラスター」は、地域組織による防災教育を軸とした子どもたちの社会参画の実践を重ねた。ここでは防災教育を軸として行政や地域団体との協働を重ね、政策提案の場面につなげた。その成果は八木山地区まちづくり研究会と共同で「若者の社会参加うとシティズンシップ」という報告書にまとめた。またNPOやユネスコによる学校での教育についての調査を行った。第二の「学校教育クラスター」は愛知県の教育委員会の法教育を中心とした調査研究を行った。第三の「グローバル教育クラスター」は、オンラインを活用したクローバル教育の実践として、Zoomを通して世界の中高生が夢を語る「Dream Project」を開始して交流を重ねた。このネットワークには日本のみならず、韓国や中国、デンマーク、シンガポールなどの各国の若者が参加した。第四の「地域問題クラスター」は、大阪および兵庫の学校調査はできなかったものの、東京会場にて定期的に学校教員を交えた勉強会を続けた。このようにコロナ流行下においても、次年度以降の実践および調査の準備を重ねた。 これらの成果は、12月に開催された日本シティズンシップ教育学会の研究大会で、個別の研究と同時に課題研究発表で4クラスターが相互に比較できるような形での発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度はコロナの流行により、当初予定していた学校訪問や海外調査が軒並みできなかった。実際に進展したのは第一クラスターと第三クラスターで、前者は範囲の小さな地域に絞って活動し地域団体と協力した結果、子どもたちの社会参画の面で多くの協働実践の成果をあげることができた。後者は、世界各国の子どもたちをオンラインでつなげる国際理解教育の実践で、これはほぼコロナの流行に関係なく予定通りの定期的な研究会や実践を継続するすることができた。 一方、学校教育に関わる第二クラスターは、教育委員会を中心とした聴き取りによって研究を継続させ、地域問題に関わる第四クラスターは学習院大学を集合場所にした現場教員同士の研究会を継続させることができた。 このようにコロナの流行で研究活動の範囲は大幅に狭められたものの、令和4年度の研究の飛躍に向けて、理論的・人的な下準備を整えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は「バーチャルシティズンシップ」と称しながら、いわゆる「デジタル的なバーチャルリアリティ」に関してはほとんど触れずに、シティズンシップ教育がシミュレーションやRPG、架空の自治組織や裁判など「バーチャルな教材」を通して「リアルな社会で生きる子ども」の育成をするという本質的な問題点を中心に理論研究を重ねた。令和3年度の実践の中で、いわゆる「デジタル的な」ものを使用した実践は、第三クラスターの「オンライン会議を通した国際理解教育」だけであった。 令和4年度は、これらの基礎的な議論の上に、いわゆる「デジタル的な」教育を取り入れたシティズンシップ教育を展開していく予定である。具体的には「メタバース」世界の中で子どもたちが交流し議論していく場合に、シティズンシップ教育としての利点や欠点は何か・また実際にまちづくりや国際交流に携わっている外部団体とともに、バーチャルリアリティを市民育成に導入した場合、どのような利点や欠点が考えられるか、全国各地の会員を巻き込みながら議論していく予定である。 さらに拡張現実(AR)技術を用いたまちづくりや社会参画の道を開くための技術的な問題、実践校の選定などの準備を行い、令和5年度の実践にむけた研究を行っていく。
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Research Products
(6 results)