2021 Fiscal Year Annual Research Report
Constructing a Demography of Sexual Orientation and Gender and Identity: Nationwide Random Sampling Survey
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21H04407
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Research Institution | National Institute of Population and Social Security Research |
Principal Investigator |
釜野 さおり 国立社会保障・人口問題研究所, 人口動向研究部, 第2室長 (20270415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千年 よしみ 国立社会保障・人口問題研究所, 国際関係部, 第1室長 (00344242)
小山 泰代 国立社会保障・人口問題研究所, 人口構造研究部, 第3室長 (70415826)
布施 香奈 国立社会保障・人口問題研究所, 情報調査分析部, 第3室長 (10713480)
岩本 健良 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (50211066)
藤井 ひろみ 大手前大学, 国際看護学部, 教授 (50453147)
山内 昌和 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (90415828)
石田 仁 明治学院大学, 社会学部, 研究員 (40601810)
三部 倫子 奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (70639012)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Keywords | SOGI / 性的マイノリティ / LGBTQ等 / SOGIを捉える設問 / 性別聴取 / 認知インタビュー / ジェンダー統計 / 量的調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本全体の傾向を示すことのできるデータをもとに、経済状況・健康状態、出生や移動などの人口学的行動や意識を含む人びとの生活全般が、性的マイノリティ当事者と非当事者との間でどのように異なるのかを解明することが急務であるとの認識に基づき、一般人口を対象に無作為抽出による全国調査を実施し、性的指向と性自認のあり方(SOGI)が人びとの生活にどのような影響を及ぼすかを定量的に示すことである。 2021年度は、202年度に実施予定の全国無作為抽出調査の準備の一環として、60代と70代の人を対象に、回答者の性的指向と性自認のあり方(SOGI)をたずねる設問についての認知インタビューを実施した。インタビューでは、無作為抽出による調査票調査を想定し、性自認のあり方、性的指向のアイデンティティおよび恋愛的惹かれ、性的惹かれ、性関係の相手の性別の3側面をたずねる質問を含めた調査票に回答してもらった上で、各問や調査票全体に対し、どのような印象をもつのか、問いをどのように理解し、何を考えてどの選択肢を選ぶのか、実際の調査でそれぞれの問いがあったとしたら抵抗感をもつと思うか、といったことを18名の協力者(男女同数、性的マイノリティを自認している人を若干名含む)から詳細に聞き取った。COVID-19の感染防止対策および協力者の利便性等を考慮し、インタビューは、zoom、電話、対面のいずれかで実施した。今後はその結果を取りまとめ、適宜発表していく予定である。 その他には、JSPS科研費16H03709で2019年に実施した「大阪市民の働き方と暮らしの多様性と共生にかんするアンケート」のデータを用いた分析や、性的指向と性自認のあり方にかんする研究全般を進め、論文および口頭で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19感染拡大により、2021年度に計画していた高年齢層への認知インタビューの実施が危ぶまれたが、研究メンバーのもつ人脈を最大点に活用し、協力者を得ることができた。また、オンラインツールに馴染みがなく、Zoom等による聞き取りができない協力者の場合も、オンラインで複数の研究者をつなぎ、そのうち1名がスピーカーフォンで協力者とつなぐといった工夫をすることで、予定どおりインタビューを実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.全国SOGI調査の準備 ①2021年度に実施した高年齢層対象のSOGI設問についての認知インタビューの結果を参考に、全国調査の対象者年齢を検討する。認知インタビューの結果を学会で報告し、ワーキング・ペーパーを公表する。②大阪市民調査の調査票の精査:2019年1月に実施した無作為抽出調査(「大阪市民の働き方と暮らしの多様性と共生にかんするアンケート」)で用いた設問を、全国調査用に検討して必要な修正を行う。③新規設問の検討:新たに含める家族形成の経験と希望、妊娠・出産・挙児にかかわる経験・希望、居住地移動の設問を検討する。④調査書類の作成:協力のお願い、Q and A、調査対象者用のホームページを作成する。 2.全国SOGI調査(郵送調査)の実施:調査対象者を住民基本台帳から都市規模と地域区分による層化二段無作為抽出法によって抽出する。抽出と実査は、全国調査の経験が豊富な調査会社に委託する。限られた予算内で対象者数をいかに多くするか、回収率をいかに高めるかを検討しながら進める。 全国調査の実施以外には、モニタ型ウェブ調査の企画を行う。本課題の申請時には、SOGIの研究で多用されるモニタ型ウェブ調査を実施し全国SOGI調査との比較を行う予定であったが、交付決定額の範囲内では難しいため見送らざるを得なくなった。そこで他の研究助成金の申請に向けて企画を進める。
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Research Products
(41 results)