2022 Fiscal Year Research-status Report
ソースコード解析に基づく初期UNIXにおける実装と発展経緯の解明
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21K00256
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
鷹合 大輔 金沢工業大学, 工学部, 准教授 (90440487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 充 関東学院大学, 人間共生学部, 教授 (10350753)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | UNIX / プロセス / ソースコード / オペレーティングシステム / システムコール / タスク切り替え |
Outline of Annual Research Achievements |
1974年に開発されたUNIX第5版におけるプロセス管理のメカニズムについて,ソースコードを元に解析を実施した.UNIX第5版は,仮想記憶システムを搭載したDEC PDP11-/45及び11/40ミニコンピュータ(最大メインメモリは248KB)での使用を前提に設計されており,カーネル仮想空間64KB,プロセスごとにユーザ仮想空間64KBが割り当てられることが確認できた.また,プロセス管理テーブルはカーネル空間内に,50個までのプロセスを管理する領域が予め確保されていることが確認できた.各プロセスはメインメモリ上の連続領域が割り当てられるため,カーネル内に50個の空き領域管理テーブルが用意されていることも確認できた.プロセス切り替えは1秒ごとに行われることも確認できた. これらのプロセス管理の仕組みを可視化することを目的として,PDP-11シミュレータ(simh)をベースに「UNIX第5版システムトレーサ」を開発した.このトレーサは,システムコール,プロセス切り替え履歴,メインメモリの空き領域情報,メインメモリ上へのプロセスの配置情報をウィンドウ画面にリアルタイム表示できるようにしたものである.このトレーサを使って,UNIX起動時のinitプロセスの振る舞い,updateプロセスによるディスク同期処理,タイマ割り込みに伴うプロセス切り替え,メモリ不足時のプロセスの再配置の様子などを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,初期のUNIXにおける進化の過程をソースコード解析によって明らかにすることである.前年度(2021)では仮想記憶を使わずに動作していたUNIX第1版(1971)についてプロセス切り替えのメカニズムを明らかにした.今年度(2022)では,仮想記憶システムで動作するようになったUNIX第5版(1974)についてプロセス切り替えのメカニズムを明らかにした.こうした状況から概ね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
UNIX第1版の前に試作されたPDP-7 UNIXの解析を行うことを検討する.また,これまでプロセス管理を中心とした解析作業を行ってきたが,ファイルシステムについて解析作業することを検討する.これまで開発したきたシステムトレーサもトレーサはオペレーティングシステムの教育に応用できるのではないかと思われるので,教育分野への展開についても検討する.
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Causes of Carryover |
購入した物品が少量であったこと,研究発表がオンラインで旅費が不要となったことで,次年度使用額が生じた.使用計画としては,(1)本研究の一環で開発しているソフトウェアに絡む開発費の一部に割り当てること,(2)新型コロナウイルス感染症の第5類感染症移行に伴って現地参加可能な研究会への旅費,にあてることを計画している.
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Research Products
(2 results)