2021 Fiscal Year Research-status Report
ケース学習による異文化協働力育成のための共修型日本語授業の開発
Project/Area Number |
21K00624
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
池田 玲子 鳥取大学, 教育支援・国際交流推進機構, 教授 (70313393)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舘岡 洋子 早稲田大学, 国際学術院(日本語教育研究科), 教授 (10338759)
金 孝卿 麗澤大学, 国際学部, 教授 (30467063)
近藤 彩 昭和女子大学, 文学研究科, 教授 (90377135)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ケース学習 / 共修学習 / 異文化協働力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は日本語教育のビジネスコミュニケ-ション教育分野で開発した「ケース学習」を、将来グローバルな職場環境で働く人材が必要とする「異文化協働力」の育成を目指し、留学生、日本人学生、海外の日本語学習者を対象とした共修型日本語教育の開発を目的とする研究である。令和3年度の研究実績としては以下4つにまとめられる。 1)日本語で発表された異文化共修型教育に関する文献調査を行い、これらを整理した。2)コロナ禍でクラスタサイズを小さくしたクラスでの共修授業において、ケース学習の実践を試行した。3)オンラインによる国内と海外の教室を繋いだ共修の場づくりを試みた、4)海外協力校での共修学習実施のための準備として、海外協力校の日本語教師研修を実施した。研修のテーマは共修教育の基盤概念となる「協働学習」とした(全4回)。さらに、海外で学ぶ学習者の学習環境の調査と、海外の教師たちの教育観について探ることを目的として、個別の教師面談を行った。 以上、令和3年度はコロナ状況がつづき、当初の計画であった対面授業の実施が困難となったため、研究の変更修正をせざるを得なかった。変更の一つは、教室サイズを小規模にしたことである。もう一つは、オンラインによる日本と海外の教室を結ぶかたちでの共修学習としたことである。 しかし、後者の変更については、当初予測した対面環境での効果測定には適していないことと、オンライン環境が不十分な地域があったために十分な学習展開が図れなかった。これらの点については課題として残った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年は、授業担当者会議を開催し、各教室環境についての情報交換会にて、共修クラスの授業実践予定の3教室について検討する計画であったが、分担者2名の職場異動に加え、各大学が新型コロナ感染症対応としてオンライン授業となってしまった期間が予想事情に長引き、それぞれの環境変更をしていたために、計画した授業(試行)を十分に行うことはできなかった。そこで、海外の教室環境の調査を詳細に行う計画に変更し、令和3年度にはベトナムの2大学(フエ大学、ハノイ工業大学)についての教室授業の現状調査が可能となった。 また、新たな研究協力者に加わってもらったことで、課題1の「異文化協働の意識醸成」を客観的に図る分析方法についての検討が可能となった。この研究者については令和4年度からの追加分担者として手続きを行ったので、今後の研究の深まりと新たな方向性への展開を検討する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度の変更修正にもとづき、少人数クラスでの実施とオンライン共修を2つの柱として進めていく予定である。昨年度の実施内容を研究会、学会等で報告する予定である。一つは国際学会(9月実施予定のベトナム・ハノイセミナー)を予定している。 また、ケース教材の追加開発も予定している。秋あたりから海外渡航が通常にちかい状態で再開されるのであれば、当初予定した教室実践も試みる。海外とのオンライン交流も地域を拡大して実施する予定である。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、本年度の予算計画のうち国内外の旅費に充てていたものが、新型コロナ蔓延状況のため調査研究の出張ができなかったことである。 来年度は国内、海外とも移動が可能となると予想され、すでに研究会、海外の学会とも通常開催の予定なので調査研究、研究発表のための旅費として使用する予定である。
|
Research Products
(19 results)