2021 Fiscal Year Research-status Report
スピードスケート選手における「新・世界で勝つための目標体力水準」の構築
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21K11452
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
熊川 大介 国士舘大学, 体育学部, 准教授 (40439279)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | スピードスケート / 体力 / 競技パフォーマンス / レースパターン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ジュニアからシニア世代における国内一流スピードスケート選手の体力的特性を明らかにし、競技成績及びレースパターンとの関連を検討することで、競技レベル・競技種目・性・年代に応じた新しい目標体力水準を定めることである。1年目となる令和3年度はデータ収集、分析及び学会での公表を主たる目的として活動を行った。このうち、データ収集に関しては概ね計画通り遂行することができたが、成果発表までは至らなかった。 本年度は、スピードスケートシニア強化選手、ジュニア強化選手を対象とした体力測定を実施した。測定内容は、垂直跳、カウンタームーブメントジャンプ、スクワットジャンプにより1動作における最大パワーの評価を行った。また、無酸素性作業能力は30秒ウインゲートテストによる最大及び平均パワーによって評価した。さらに有酸素性作業能力は連続的漸増負荷法による心肺運動負荷試験を実施し、最大及び最大化運動中のパワー及び代謝測定によって評価した。 また、競技会におけるレース分析は、10月と12月に行われた国内競技会において実施した。対象競技は500m、1000m、1500mとし、滑走中の選手をホームストレート中央付近のスタンドより、デジタルビデオカメラを用いて追従撮影した。得られた映像から、ストレートとカーブとの境界線やストレート中央ラインを通過したフレームを読み取り、各区間のコース上の距離を当該区間に要した時間で除すことにより区間の平均速度を算出した。 本年度はこれらの結果から、男女別に令和3年度における国際大会入賞選手、国際大会出場選手、国際大会不出場選手(シニア)、国際大会出場選手(ジュニア)、国際大会不出場選手(ジュニア)に分類し、それぞれの体力項目及び競技会での区間スピードにおける平均値を算出し比較検討を行った。この成果は、2022年度の国際学会で発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度に計画していた測定及び分析はほぼ予定通り実施することができたのでおおむね順調に進展していると判断できる。本年度測定を行った対象者はシニア・ジュニアの両カテゴリーにおいて国際大会に派遣された競技者と派遣されなかった競技者に分類することができた。従って、競技レベル及び年代による体力水準の整理とレースパターンの比較分析は進展することができた。しかしこれらの成果発表を予定していた国際学会が中止またはオンライン開催となり、研究の公表ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、引き続きシニア・ジュニアスピードスケート選手における体力測定を実施する。すでに春期の測定が進行中であり秋期の測定計画も決定している。現段階における体力測定実施状況はシニア選手で50%、ジュニア選手は20%完了しており、今後7月から9月にかけてすべて完了する見込みである。また、本年度における競技会スケジュールも確定したため、前年度と同様のレースパターン分析におけるデータ収集及び分析を行う予定である。また令和3年度に行った競技レベル及び年代による体力水準の比較分析に関する研究成果を8月に行われる国際学会で発表するとともに、論文投稿を行う予定である。
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Causes of Carryover |
令和3年度に発表を予定していた国際学会が中止またはオンライン開催となったため、旅費の執行ができなかった。しかし、予定していたデータ収集に関してはすべて遂行し分析作業も順調に進んでいる。本年度行った研究成果は、European College of sport science 2022において発表する予定で、Abstractが受理されている。 次年度は、上記国際学会に参加するための渡航費及び参加費等、また論文作成費等で使用する予定である。
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