2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of survival mechanism through metabolites in sepsis
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21K11724
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
堤 理恵 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 講師 (80510172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大藤 純 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (40346606)
阪上 浩 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (60372645)
堤 保夫 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (90523499)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 敗血症 / 骨格筋萎縮 / アミノ酸代謝 / 多臓器連関 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、敗血症における代謝連関とその鍵となる骨格筋からのアミノ酸について検討を進めた。まず、敗血症時には、血中の遊離アミノ酸が上昇し、そのアミノ酸はそれぞれ異なる組織で利用されることが示された。分岐鎖アミノ酸はmTOR,HIF経路を介して、乳酸の上昇、肝臓における糖新生の亢進を認めた。一方で、TCAサイクルは抑制され、エネルギー消費量の抑制の一因であることが示唆された。 さらに、敗血症時においては、腸管におけるスレオニン需要が高まることが知られている。そこで、スレオニンを投与すると、血中スレオニン濃度は低下し、骨格筋の減少は抑制され、腸管機能も改善した。さらに我々は、こうした骨格筋の萎縮マーカーとして、尿中タイチンを同定した。このタイチンは骨格筋萎縮が重度であるほど高濃度で検出された。 また、そのタイチンは、カルジオトキシン誘導性筋萎縮モデルマウス、ステレプトゾトシン誘導性糖尿病マウス、絶食、ギプス固定などによっても上昇することが示唆された。その誘因として侵襲によるカルシウムイオンの変化、カルパイン3が関与している可能性が示された。マウスに敗血症を誘導し、タイチンの上昇は誘導後4時間以内の早期から認められることを見出した。また、スレオニンを投与するとこうした骨格筋の萎縮やタイチン濃度の上昇は抑制されることが明らかとなった。 さらに、臨床試験においては患者血清を用いたメタボローム解析を行い、解糖系の亢進、TCAサイクルの代謝産物の低下を確認した。また、血中アミノ酸濃度がICU入室後3日目までに上昇する患者の生存率は高いのに対して、上昇しない群は死亡率が高かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代謝動態について詳細な検討が終了し、ノックアウトマウスの飼育にも至ったため概ね順調であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、カルパインノックアウトマウスを継代して増やし、骨格筋萎縮の原因因子の同定と、これによる代謝制御を解明する予定である。また、臨床データの回収も進め、臨床データと動物実験のデータを照合していく。 【動物における実験】 mTOR-HIF経路を肝臓、骨格筋、その他臓器において詳細に検討し、臓器間の比較検討を行う。また、カルパインの発現についても検討し、侵襲による発現変化を検討する。カルパインノックアウトマウスを用いて侵襲時の代謝変動とその分子機序を解明する。 【ヒトにおける検討】患者の血液を用いて、メタボローム解析を継続する。また、関節熱量計を用いた消費量との比較によりATP産生低下の病態との整合性を検討する。
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