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2021 Fiscal Year Research-status Report

プラスチック製廃棄物の小型水蒸気ガス化処理装置開発に向けた基礎研究

Research Project

Project/Area Number 21K12343
Research InstitutionNagasaki Institute of Applied Science

Principal Investigator

中道 隆広  長崎総合科学大学, 工学研究科, 講師 (50555472)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords水蒸気ガス化 / プラスチック / 可燃性ガス
Outline of Annual Research Achievements

プラスチックを原料とした水蒸気ガス化装置の開発には、原料の元素組成や物性特性が重要となる。原料に含まれる炭素、水素、酸素の量により発生するガス組成が変化し生成した総エネルギーに影響があるため、5種類(PS,PE,PP,PC,PET)のプラスチックの熱特性(元素分析、熱量分析、熱重量示差熱分析)の分析を行い、電気炉を用いた簡易ガス化装置の作成し、ガス化実験を行ない発生したガス組成の分析とガス化技術的課題について実験を継続中である。
示差熱分析において使用した差動型示差熱天秤((株)リガク,TG8120)を用いて空気、窒素および水蒸気雰囲気と似た条件を作り出せる二酸化炭素雰囲気で、20℃/分の昇温温度で実験した。空気雰囲気では酸素が存在するので300℃~400℃付近で燃焼反応を示し、燃え尽きてしまうため、ガス化には窒素および二酸化炭素雰囲気でなければならない。
PS、PE、PPのグループは窒素雰囲気と同様に600℃以下で全て熱分解反応を示した。草本・木質、PC、PETのグループでは1000℃付近までは窒素雰囲気と同様の反応を示したが、1000℃以上の高温域では二酸化炭素が高活性となり固定炭素である炭素と反応しガス化を確認した。
上記の3雰囲気の結果から、PC、PETは1000℃以下では固定炭素が残留するために完全にガス化するためには1000℃以上まで加熱する必要があり大量のエネルギーが必要となるため、低温域で完全にガス化するPS、PE、PPと比較するとガス化の原料としては不向きであると考えられる。
次に、プラスチック原料のガス化実験として発泡PS(ポリエチレン)ビーズを用いて、簡易ガス化装置として1200度まで昇温可能なセラミック電気管状炉と磁性管を用いて実験を継続している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

簡易ガス化装置として、開閉式のセラミック電気管状炉と電気炉用炉心管(磁性管)から構成し、気炉の両端には、アルミ製の筒とシリコンゴム栓を組み合わせ片方からガス化剤として二酸化炭素をを注入し、テドラーバッグを装着し発生したガスを回収する実験装置を構築した。
発泡PSビーズを用いた簡易ガス化実験の結果、炉心管内のサンプルは完全に熱分解しガス化され、発生した生成ガスの採取にも成功した。採取したがガスは、白くテドラーバッグ内で冷えると黄色い液体が内部に付着していた。この黄色い液体が水溶性の液体化の確認を行なう為に、純水を加え、撹拌させた結果、混合せずに分離しため油脂と判明したが、成分の特定までは至っていない。
また、油脂成分は3分~7分のテドラーバッグ内で確認ができたとから、この時間内でガス化が行なわれたと考えられる。さらに、ガス化時に電気炉の温度を1000℃まで上昇させ炉心管を取り付けるが、取り付けら際に電気炉の温度が550~600℃付近まで減少してしまい、温度が低くなり開始から1~2分程度はガス化が行なわれていなかった。
ガス組成成分分析結果、発生ガスから酸素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタンの5種類の成分が検出された。各成分の濃度を比較すると、窒素と二酸化炭素の濃度が非常に高く、次に酸素、一酸化炭素、メタンの順で濃度が高い。ガス成分分析結果から、PSビーズ(C8H8)に二酸化炭素(CO2)をガス化剤として用いてガス化を行なった際に窒素は考えられないため、実験時にセラミック炉心管内に空気が入り込んでいると判断でき、対策の検討を行なう必要がある

Strategy for Future Research Activity

ガス化実験及び発生ガスの成分分析の結果より、ガス化実験中に炉心管内に空気が混入していると判断ができ対策の検討として、セラミック製炉心管とは異なる鉄製炉心管を用いてガス化条件の検討を行なった。
実験の結果、セラミック製炉心管から回収した気体から多くの窒素と酸素が検出されていることから前項でも述べたように、空気が混入していることが判断できる。セラミック製炉心管内に空気が混入した理由としては、今回使用したセラミックは多孔質セラミックであり、構造内に多数の気孔があり、通常のセラミックよりも耐久性、耐熱性が高い物となっているが、この気孔から炉心管内に空気が混入していたと考えられる。それに対して、特注の鉄製炉心管からは、窒素と酸素がほとんど検出されなかったことから空気の混入していないことが判断することができたので、今後は鉄製炉心管をもちいて実験を継続する。
今後の研究の推進方策として、①鉄製炉心管によるプラスチックのガス化実験及びガス組成成分分析。②その他プラスチック原料を用いた各サンプルのガス化時の温度帯の把握。③各原料におけるガス化過程におけるマスバランスの解明を実施する。

Causes of Carryover

当初の計画では、簡易ガス化装置の構築を行いために必要物品の購入を検討していたが、簡易ガス化装置についての技術的課題となった空気の混入原因特定に時間がかかり、装置の構築費用が支出できていない。
そのため、次年度では構築できなかった物品の購入と生成ガス分析に必要なGC装置の消耗品を購入する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] プラスチック原料を用いた水蒸気ガス化反応の基礎研究2022

    • Author(s)
      中道隆広
    • Organizer
      廃棄物資源循環学会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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